TBS系「あのクズ-」プロデューサーが明かす制作秘話 奈緒の「すごさ」 那須川天心を起用した理由
女優・奈緒(29)が役作りのため本格的にボクシング練習に取り組んでいることが放送前から注目を集めたTBS系ドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」(火曜、後10・00)が、10日に最終回を迎える。このほど、戸村光来プロデューサーがデイリースポーツなどの取材に応じ、ストイックに役作りに励む奈緒の姿や、今作でドラマデビューを果たしたボクシングのWBOアジア・パシフィックバンタム級王者・那須川天心選手を起用した理由など、制作の裏話を明かした。 今作はラブコメとして、主人公のアラサー女子・佐藤ほこ美(奈緒)が恋にボクシングに奮闘する姿を描いてきた。女性ボクサーを主人公とした理由には「格好良い女性像を作りたかった」という思いがあったという。 物語はあくまで「恋愛がメイン」とした一方、本格的ボクシングシーンも見どころ。戸村氏も普段は入れないプロテストの現場に赴くなど取材を重ねたといい、競技歴12年の記者も放送前に奈緒の練習姿に密着し、その本気度を目にした。 戸村氏は奈緒の相手役のKis-My-Ft2・玉森裕太を含め「迫力を出すために本当にすごい練習をしてもらった」と回想。奈緒は練習の傍らパーソナルジムや整体にも通いストイックに体作りにも励んだが、現場では「本当に元気」と終始明るかったという。 食事制限もしていた中「楽しんでる印象があった」といい、「皆に自分が今食べてるものを自慢したり、食事制限ネタみたいなので笑いを取ったりしてて」と笑顔。「つらかったと思うけど現場では一切見せなかった」と、演技以外でも奈緒の「すごさ」を実感したという。 練習はサウスポーで取り組んでいた奈緒。作中では右打ちの構えだったが、6話になってサウスポーに転向する場面がある。これは奈緒のアイデアだったという。 奈緒の提案で、初顔合わせでは戸村氏もボクシングの練習をしたといい「その時に奈緒さんが『実は私、左(構え)なんです』って言ってきてそれが結構驚きだった」と苦笑い。奈緒自身は右利きのため「『右』(構え)の台本を作ってた」といい「『でも途中で左(構え)に変わるって面白くないですか』って言われて」。たとえ右構えで練習する苦労が増えても、面白さを優先する女優魂を垣間見せた。 またWBO女子世界スーパーフライ級王者の晝田瑞希選手や、実際の試合を担当するレフェリーやリングアナといった、JBC(日本ボクシングコミッション)所属の人物も出演し、細かいボクシングの描写にこだわった。中でもWBOアジア・パシフィックバンタム級王者・那須川天心選手が毎話異なる役で出演しドラマデビューを飾ったことも反響を呼んだ。 那須川選手にオファーを出した時期はタイトルがかかった試合を控えていたが、「那須川さんからは『おもろいっすね』ってひと言でOKもらって」と告白。「『これってどういう役ですか?』とか、すごくお芝居に真面目に向き合っていただいた」と回想した。 1話の冒頭では奈緒がリングで戦う姿から始まったが、最終回ではそこに向かう流れとなる。戸村氏も「本当にあの試合のために奈緒さんが何カ月もかけて鍛えてきた。ほこ美のボクシングの集大成をまず1番に注目していただければ」と力を込めた。