「視界が前の人たちのスマホで埋め尽くされて…」ライブの新マナー・ステージ撮影でスマホ掲げすぎ問題
主催・演者側が推奨するケースも増えてきたライブ会場での撮影
都内ライブハウス。あるアーティストのライブにスペシャルゲストがサプライズで登場、大歓声で盛り上がる会場。と同時にフロアのあちこちから高く掲げられたスマホ……。 【ファン目線】本当に好きな人が撮ったもの、それにはかなわない!? 自分の目の前の視界が、前の人たちのスマホ画面で埋め尽くされてしまった……同じような経験をしたことはないだろうか? 近年、音楽ライブ会場などでこういう光景をしばしば見かけるようになった。観客のスマホなどによる動画や静止画の撮影。それを自分の頭の上まで掲げて構えることで、後ろの人の視界が大きく遮られてしまうことがある。 かつてはライブ会場での撮影行為は、可能なライブも存在するが、基本的に禁止とされることが多かった。 しかしスマートフォンのカメラ機能の進化、撮影された写真や動画のSNSでの拡散、そして撮られる側にとっても拡散されることで広告費をかけずに宣伝的なメリットが得られると、プラス面としてとらえる考え方も広まり、主催・演者側から推奨するケースが増加している(撮影可能な曲やコーナーが指定される場合や、撮影可能エリアを別途設けている場合、SNSへの投稿は演者側の確認を経てからという場合もある)。 楽しさ、感動、興奮……目の前のステージの空気を自分のスマホに収めたくなるのはよく分かる。自分だって撮影する。しかしだ。ステージの上の被写体を良い感じに収めたいあまりに、そのスマホは時には頭上はるか上に掲げられてしまう。特に動画を撮る人は一定時間掲げたままになることも多く、視界が遮られっぱなしになることも。 もちろん撮影画像を個人的に楽しむだけの人も多数いるだろうが、SNSへの投稿も定着した。だからこそ近年増加するこの“スマホ掲げすぎ問題“、今後考えるべき新たなライブマナーではないだろうか。 ◆「ファン目線」の写真のほうがいいこともある これまで撮影が可能だったライブの場合は一眼レフをしっかり構えてというスタイルがほとんどだった。しかしスマホのカメラ機能の進化と操作の簡単さによって誰でもある程度のクオリティの映像が撮影できるようになった。 さらにコンパクトで片手でも撮影でき、多少離れた場所からでも視認しやすい画面の大きさと明るさ。それらの要素の結果、いきおい邪魔な前方客の頭をよけるようにどんどん頭上に掲げられ、後方客の視界にはスマホ画面がズラリといった現象を生み出すことになる。