「視界が前の人たちのスマホで埋め尽くされて…」ライブの新マナー・ステージ撮影でスマホ掲げすぎ問題
「後ろから見たときにスマホのブルーライトのまぶしい画面が視界にたくさん入ってくるのは、スマホを構える位置以前にやっぱり気になりますし、目も疲れます」 と言うのは、カメラマンでありミュージシャンとしての顔も持つ石澤瑤祠さん。石澤さんはオフィシャルカメラマンとしてステージの写真を撮る機会も多く、ライブで観客が撮影することが増えてきた当初は、「俺たちが撮ってるんだからわざわざ撮らなくても」という思いもあったそうだが、SNSでの拡散の効果の大きさを実感するようになったそうだ。 「親が撮る我が子の写真が一番いいみたいに、本当に好きな人が撮ったもの、それにはかなわないと感じることもあります(笑)。 オフィシャル以外の画像や映像も大量に記録され公開されていくこと、Xやインスタグラムなど、拡散する土壌が整っている今、それは大切な歴史の記録が膨大に残されていくことになるのかなと肯定的にとらえられるようになりました」 二人組ユニット「PPPR!!-ピポパロ-」のメンバー・路亜さんも、かつてアイドルグループのメンバーとして活動を始めるまでは、観客のライブ撮影を肯定的にとらえていなかったそうだ。 「やっぱりライブはその場、その瞬間を楽しむものという意識があって。自分の目に焼き付けるものだと。 だけど、アイドル活動を始めたときに、『撮る』ということもライブのひとつの楽しみ方なんだと気づきました。自由に楽しむという意味では同じなのかなって」 PPPR!!のライブは、基本的に動画も静止画も撮影OKにしている。 「みなさんいいスマホ、いいカメラで撮ってくださってSNSなどで広めてくれる。 そういうかたちで自分たちの記録をかっこよく残してもらえますし、ファンの方からは私たちはこう見えてるのかと分かりやすいので、ありがたいです」 二人が言うように、撮影・拡散という行為そのものは時代の流れ的にも歓迎。ただ、考えていきたいのはその撮影マナーだ。 「自分が見にくいってことは、自分の後ろにいる人はそれ以上に見にくい。自分のスマホを頭上まであげちゃうと、その見にくい視界をさらに遮ってしまうんだぞと。 見づらい、撮りづらいなと思っても、自分の後ろにもお客さんがいるんだということは意識してほしいです。構えるのは自分の目線の位置、せめて頭の高さまでにしてほしいですね」(路亜さん)