「視界が前の人たちのスマホで埋め尽くされて…」ライブの新マナー・ステージ撮影でスマホ掲げすぎ問題
スマホ画面が光るライブ風景こそ「今」のライブの空気の記録?
石澤さんは、スマホカメラを信じてもし頭上で撮りたくても一瞬で、とすすめる。 「ファン心理として残しておきたい気持ち、みんなに見せてあげたいという使命感も分かりますが、自分のスマホやカメラだけで撮れればいいというものではない。 スマホのカメラは基本的にどれも性能がいいですし、今のライブ照明と実は相性がよくて綺麗に撮れる。ある程度おまかせでそれなりのものが撮れますから、その瞬間を狙って一瞬だけなら後ろの人に不快感を与えないのではないでしょうか」 路亜さんは、こんな提案もする。 「指定の席がない場合だったら、フロアの端をおさえると、ある程度高い位置から撮っても後ろの人の視界を遮ることはかなり減るんじゃないかな。 演者や主催者、会場ごとに基準も違っていて明確なルールのないものなので、ルールやマナーがみんなで考えながら自然にできていくといいですね」 観客がライブを自由に撮影することができるという環境も、頭上スマホで視界が遮られるなど、迷惑ととらえる声が大きくなれば撮影・拡散が全面禁止となることだってある。カメラを構える位置だけでなく、バラード曲などでシャッター音が思いのほか鳴り響いてしまうと雰囲気が台無しになることもあるので気をつけたいところだ。 石澤さんは、みんながスマホでステージを撮っている光景そのものが’20年代の今っぽさなのかもしれないと考える。 「後ろから全景を見たとき、たくさんの光り輝くスマホの画面がそこにある。 その光景、掲げられるスマホの数の多さがそのライブの盛り上がりを表す証、今ならではの空気感なのかもしれない。 のちに、『’20年代ってこういう感じだったね』と、みんながスマホを掲げる光景を懐かしく思い出すようになるかもしれませんね(笑)」 そういえばスマホってあったなぁ……そういう未来が訪れるかもしれない。 取材・文:太田サトル ライター・編集・インタビュアー。学生時代よりライター活動を開始、現在はウェブや雑誌などで主にエンタメ系記事やインタビューなどを執筆。
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