演技挑戦、結婚…わずか1年で環境が激変 32歳に訪れた大きな転機「女優と呼ばれるように」
転機は地元・広島を題材にした舞台への出演「こんなに演技をすることになるとは」
マルチに活躍するタレントの“ちゃあぽん”こと西脇彩華(32)が、役者としての道を歩き始めている。「自分でも想像していなかった」という演技への挑戦。プライベートでは、2023年に結婚を発表するなど、数年前には想像していなかった未来が待っていた。さまざまな変化を経た彼女の目には今、どういった世界が見えているのだろうか。(取材・文=中村彰洋) 【写真】「西脇家最高」「本当に良い写真」の声…西脇彩華が公開した姉・あ~ちゃん&兄との思い出3ショット 22年に現事務所に移籍してから2年。移籍当時はレポーター仕事などマルチな活躍を目標に掲げていたが、この2年で大きく心境が変化していった。転機となったのは23年8~9月に上演された舞台『“STRAYDOG”30th Anniversary Produce「夕凪の街 桜の国」』への出演だった。 同作は、西脇の地元・広島の原爆をテーマに描かれており、本格的な演技初挑戦にして、初主演の大役を務めた。「めちゃくちゃ不安でした」と語る西脇の背中を押したのは、広島への強い郷土愛だった。 「この作品は広島出身の人を主演にしたいという思いがあったとお聞きしました。制作さんが、私のことを9nine(西脇が所属していたガールズグループ)で活動している頃から、知ってくださっていて、『ちゃあぽんでやりたい』とオファーしてくださいました。 本格的な演技は初めてで、自信がなかったです。でも、自分の演技どうこうではなくて、広島に何か恩返ししたいという気持ちで『やらせてください!』と即答しました。広島で育って、語り部さんのお話を聞いたり、平和学習をたくさん重ねてきました。広島の子どもたちはつらい過去を若い世代に語り継いでいく役割を託されていると思っています。今回、このお話をいただいた時に『これだ!』と強く感じました。初主演の舞台がこの作品で良かったです」 以来、舞台4作品への出演が続き、12月10日からは初の会話劇『ツバルのフェヌア』に挑戦するなど、俳優としての道を歩み始めている。 「私自身、こんなに演技をすることになるとは思ってもいませんでした。『夕凪~』に出演した時に心から楽しいと思えました。それに、周りの役者さんが全身全霊で役作りをしている姿が、広島の人間としてすごくうれしかったんです。実際に広島のことを調べたり、平和記念資料館に足を運んだり……。別の作品だったらここまでピンときてなかったと思いますが、そういう皆さんの一生懸命な姿勢がリスペクトに変わって、私もこういう風にやってみたいと思うようになりました。本当に最初の作品が『夕凪~』で良かったです」 まさに新しいことに挑戦し続けてきた1年。演技に打ち込むことで、新たなやりがいを見つけることができた。 「9nineの活動が終わってから、カメラ前でのお仕事が多くなっていたのですが、久々に舞台に立って、生のお客さんのパワーを間近で感じて、『やっぱり好きなんだな』と実感しました。表現の手段が、歌でもダンスでも、演劇であっても、とにかく自分の持っている“芸”や“能”で人の心を少しでも動かせた時のうれしさやときめきを再認識しました。小さい時にアクターズスクール(広島)に通っていた頃から、何かに向かって準備をして、それをいろんな人に見てもらって、涙を流してもらえたり、笑顔になってもらえたり、そういうゴールがあるから、つらい時間も良かったと思えるんですよね。私は、その一連の活動が好きなんだなと原点に戻った感じがしました。 それに加えて演技は、自分じゃない人を演じた時に、普段の自分とは異なる感情が湧き出てくることがあるんです。『自分の中にこんな自分がいたんだ!』と思える瞬間があって、それが自分の可能性にも思えて、演技をすることで自分に対して希望を持てるようになりました」 ショートドラマアプリ「mov」で11月から配信スタートした『既婚者サークル』では、映像作品初出演にして、主演を務めた。人妻で不倫にのめりこむ役という、新たな一面ものぞかせた。2年前には考えてもいなかったが、今では「演劇をもっとやっていきたい」と口にする。「この2年間で考え方がめちゃくちゃ変化しました。こんなに演技をしているなんて、ファンの方も思っていなかったと思いますし、家族ですらもびっくりしたと思います」。