「泣くつもりじゃなかった」長野の“小かっぱ橋”惜しまれ60年の歴史に幕 ネット販売、物価高が追い打ち…苦渋の決断 市民や職人を支えてきた“金物のデパート” 社長「お客様には感謝しかない」
最後のにぎわいです。先日、特集でお伝えした長野市の金物店が、11月30日、60年の歴史に幕を下ろしました。市民や職人を支えてきた店の「最後の一日」を見つめました。 【動画で見る】「泣くつもりじゃなかった」長野の“小かっぱ橋”惜しまれ60年の歴史に幕 ネット販売、物価高が追い打ち…苦渋の決断 市民や職人を支えてきた“金物のデパート” 社長「お客様には感謝しかない」
長野市東和田の「金物のデパート 吉沢金物店」。 最後の開店準備です。 吉沢金物店・吉沢正彦社長(59): 「(閉店セールになっても)毎日商品のない中、いっぱい来てくれるからね。ありがたいよ、本当に」 11日30日が最後の営業日でした。
店は昭和43(1968)年に市内の卸業者で働いていた先代の貞次さんが創業しました。
家庭用品から専門器具まで品ぞろえは常時2万点以上。 市民の暮らし、職人たちの仕事を支えてきました。
しかし、ホームセンターの出店やインターネット販売の影響を受けるようにー。 昨今の物価高も追い打ちとなり、2代目の吉沢社長は苦渋の決断をしました。
吉沢正彦社長: 「消費者からすると、食べ物とかが一番になって、金物とかは傷んでも、まだ買い替えようとはそこまで手が回らなかったと思う」 店員: 「いらっしゃいませ」
迎えた最後の営業。商品は全品7割引きです。 食品卸業者: 「(何を買った?)台車を。いつもお世話になっていたんで、寂しくなって、最後に来させていただきました」 清掃業者: 「(何を買った?)実家の焼却炉の煙突。どれくらい来ていただろう、25年とか」 造園業者: 「本当に寂しい限りですね、記念にカゴまでもらって」 「店員さんに聞いたら『もらっていってください』って言われたので、なんでか3つ(ください)って言って」
社長と一緒に店を支えてきた弟・昭彦さん(56)。 「駆け込み」で依頼のあった500件以上の『研ぎ直し』に対応しました。
弟・昭彦さん: 「この短期間で500本前後は(経験)ないですね、ちょっと痩せたかな。(閉店は)残念だけど、頑張りました。本当にたくさんのお客さんに来てもらったのでありがたいですね」