倒産寸前からの大逆転! 大阪発「LOGOS」が“日本を代表するアウトドアブランド”になれた理由とは 「5mから800m戦略」で呼び込んだブーム再来
わずか3分で組み立てられるテント、屋外でピザを焼ける釜など数々のヒット商品を生み出しているアウトドアブランド『LOGOS(ロゴス)』。日本でも有数のアウトドアブランドですが、もともとは海洋レジャー用品から出発していたことをご存じでしょうか?そんなLOGOSの知られざる誕生秘話、そして3代目社長による業績回復は苦難の連続!「90年代キャンプブーム」「山ガールブーム」を経て今の「キャンプブーム」をどう先読みしたのか⁉ 赤字からの復活劇に迫ります。 【動画】父との確執、経営危機に陥った家業…LOGOS誕生の裏側には数々の苦難がありました
「しょせん社長のせがれ」と言われて…
「LOGOS(ロゴス)」は大阪・大阪市にある株式会社ロゴスコーポレーションのアウトドアブランド。前身は、海洋レジャー用品販売会社「大三商事」です。2代目社長、柴田郷二郎の長男として生まれた茂樹。ところが大学の進学先について父との間に確執が生まれ、家業とは関係のないスポーツ用品の卸売メーカーに就職します。 しかし就職から4年後、大三商事は高額なヨットやボートなどの高額商品の販売不振で倒産直前となり、父からSOSの連絡が…。「思うようにやったらいい」という妻の言葉、幼い頃から知っている従業員たちを思い、1982年に父の会社に入社します。 しかし、入社した茂樹を待ち受けていたのは恐ろしい状況。在庫管理もろくにせず、商品を売る気もない社員たちは「倒産」するという危機感が全くない状態でした。 とにかく在庫をさばくために奮闘する茂樹を見て、他の社員は「社長のせがれはあかんな」と陰口を叩く始末。それでも気にせず働く中で、茂樹はこのままでは会社が立ち行かなくなると考え、新たな収入源を模索することに。
海洋レジャー用品からキャンプ用品へシフト
そんな中、茂樹は「木製のテーブルセット」が特に売れていることに気づきます。さらに何気なく読んだ雑誌から、欧米文化への憧れによるキャンプブームの到来を認識。 そこで、「これからの時代はキャンプ用品だ」と確信し、「海から丘へ」と取り扱う商品を海洋レジャー用品からキャンプ用品に切り替えることにしました。そして1985年に「LOGOSブランド」を立ち上げ、アウトドア用品の本格展開をスタート。