同僚が喫煙所で上司にいつも「業務の相談」をしています。自分はたばこを吸わないので気になります。これはルール違反では?
仕事中にタバコ休憩をはさむことで気分転換になり、仕事の効率がよくなる人もいるのではないでしょうか。 しかし、非喫煙者や嫌煙者からすれば、喫煙所は足を踏み入れる機会のない場所です。中でどのような会話をしているのかは把握できないうえに、喫煙所で同僚が上司に業務の相談をしているとなれば、快くは思えないでしょう。また、喫煙所にいるからこそ耳にできる情報もあるなど、不公平さを感じるかもしれません。 本記事では、業務中のタバコはルール違反なのかについて解説します。また、タバコ以外の方法で、上司に業務の相談をする方法もまとめていますので、参考にしてください。
「タバコミュニケーション」とは?
「タバコミュニケーション」とは、喫煙所で行われる喫煙者同士のコミュニケーションのことです。タバコを吸いながら気軽に話す中で、他部署や取引に関する情報を得たりすることが期待できます。また、気難しい上司と仲がよくなることで業務が円滑に進むとか、人事査定が喫煙所で決まるケースもあるなど、仕事に大きな影響を与える可能性も高いでしょう。 そのため、非喫煙者や嫌煙者は、喫煙者よりも情報を知ることが遅れたり、喫煙者同士で仕事の打ち合わせが完了していたりといった事態に直面するケースがあるかもしれません。
業務中のタバコはルール違反?
業務中のタバコについては、本人のマナーやモラルに対する意識が求められるところです。なお、業務中のタバコを労働時間として扱うケースと、休憩時間として賃金控除の対象とするケースに分類されます。業務中のタバコが労働時間として判断されるかどうかの基準は、以下のとおりです。 ●喫煙の回数 ●喫煙の頻度 ●喫煙にかかる時間 ●喫煙中に業務指示が行われた回数とその頻度 ●喫煙所の場所の近さ(必要があればすぐに仕事に戻れる状態) 頻度の高さや1回あたりの時間が長ければ、ルール違反と判断されて、指導を受ける可能性も高いでしょう。タバコ休憩によって仕事が中断されれば「業務の効率が悪くなる」「長時間の離席によって残業時間が増えると、無駄な残業代が発生する」「非喫煙者や嫌煙者と仕事上で必要なコミュニケーションがとれない」といったリスクが発生します。 ■職場における受動喫煙防止対策が進められている 労働安全衛生法68条の2(受動喫煙の防止)に基づき、職場における受動喫煙防止対策が進められています。 厚生労働省の「令和2年労働安全衛生調査(実態調査)」によると、「屋外を含めた敷地内全体を全面禁煙にしている」事業所の割合は30.0%、「屋内を全面禁煙として、屋外喫煙所を設置している」事業所の割合は46.7%、「事業所の屋内に喫煙専用室等を設置し、それ以外の屋内の場所を禁煙にしている」事業所の割合は18.8%とのことです。 また「業務の効率の低下」「喫煙習慣のない社員との不公平さをなくす」といった意味から、喫煙者を採用しない旨を公言していたり、面接時に喫煙の有無を確認する企業も現れていたりする状況です。今後、業務中のタバコに関するルールが厳格化し、現在のようには容認されない時代が到来する可能性も高いでしょう。