【オーストラリア】水素投資、課題多いが日本の関心高い=資源相
オーストラリアのキング資源相は水素技術について、課題が多く、国内プロジェクトへの海外投資を誘致するのは容易ではないとの見解を示している。ただ、日本企業の水素開発への関心は高いとした。28日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。 再生可能エネルギー由来のグリーン水素はガスの代替として注目されており、オーストラリア政府は業界支援策「ハイドロジェン・ヘッドスタート」や生産税控除などを通し開発を推進している。 だが、高コストで採算性が低いことから、最近はエネルギー大手オリジン・エナジーや資源大手フォーテスキューなど国内大手が水素計画から手を引いている。その一方で、日本は水素基本戦略の改定で15兆円規模の投資方針を打ち出すなど水素技術開発には前向きだが、この資金は米国やアラブ首長国連邦(UAE)など水素に多額の補助金を充当している国に流れるとの見方も出ている。 キング資源相は、「(米国など)他国の補助金制度には規模的に太刀打ちできない。オーストラリアの持つ優位性を生かさなければならない」としたが、水素は課題が多いことは認識していると述べた。 名古屋市で24~25日に開催された日豪経済合同委員会会議に出席したキング資源相は、連邦政府の脱炭素化への取り組みにより日本への液化天然ガス(LNG)輸出が減ることはないとも発言していた。