10代女性の6割超が夢中「TikTok」、1日10回以上見る人も多いが 企業から政治家まで活用する影響力の秘密
ハリス副大統領も、大手メディアよりTikTokの影響力を利用したが...
――なるほど。近年、大学生の就職活動で企業の情報をTikTokから得る人が増えていると聞きましたが、そういう使い方もあるのですね。 佐藤仁さん 若年層にアピールするのに、タレントやアイドルらだけでなく多くの企業や地方自治体がTikTokを活用して情報発信をしています。また政治家も利用して情報発信をしていますよ。 昨年の米大統領選では、民主党大会にTikTokインフルエンサーが招待され、ハリス氏へのインタビュー機会が与えられて話題になりました。バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明、後継候補となったばかりのハリス氏が大手メディアの取材に応じていない段階なのに、です。 TikTokなら流行した音楽に載せたショート動画でアピールできるので、「動画広告」という印象がなく、最後まで動画を見てもらって宣伝、広報活動ができるのも特徴の1つです。 ――それにしても、TikTokを「1日10回以上」見る人が10~20代で約3割という数字は、スマホの見過ぎの心配はないのでしょうか。また、70代で14%(60代の7%の2倍!)も「1日10回以上」見ている結果が、70代の私としては不思議です。あまり、見過ぎないようにするにはどうしたらよいでしょうか。 佐藤仁さん 「1日10回以上」見る人が多いのは、メッセージやフォローしているタレントがライブを開始したなどの通知でアクセスしたり、すき間時間に何気なくアクセスしたりしているのかもしれません。また、アクセスするとショート動画で多くの動画があるので、次々と見ているケースもあるかと思います。 年配者にとっても、自身が好きなタレントのショート動画など興味深い動画が多いと思います。お子さんやお孫さんの勧めで初めて見た人もいるのではないでしょうか。 「スマホの見すぎ」対策としては、夜寝る前にはスマホを見ない、電車の中ではTikTokを見ない、朝起きたらすぐにスマホを触らない、といった「マイルール」などを作って、見すぎないように心がけるのが重要だと思います。
今後、若者だけでなく中年層やシニア層にも拡大していく?
――TikTokに関しては、TikTokに仕掛けられたバッグドア(裏口)からユーザーデータが中国政府に流れている可能性があるとして、米国ではTikTok規制法が成立しましたが、日本では個人情報の漏えいなどの面で心配はないのでしょうか。 佐藤仁さん 米国での対応について、当研究所では見解は持ち合わせておりません。 ――今回の調査で特に強調しておきたことがありますか。 佐藤仁さん 今後、若年層だけでなく中年層やシニア層にも拡大していくかもしれませんので、引き続きTikTok利用動向の傾向を注視していきたいです。 (J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)