<CES2025>ジェンスン・フアン氏の登場で1万2000席が満杯に…「AIすべて掌握」エヌビディアCEOの野心(1)
すべての人工知能(AI)の道は結局半導体に通じる。世界最大のIT・家電見本市「CES2025で再確認された革新のルールだ。 CES2025の公式開会を翌日に控えた6日、米ラスベガスでは世界の半導体市場を主導するエヌビディア、インテル、AMDが激突した。それぞれAI機能を強化した新製品チップを約束でもしたかのように同じ日に公開した。先端AI技術を具現するのに必須であるAI半導体性能競争がCES2025で繰り広げられたのだ。これら企業へのメモリーチップ供給を狙うサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンの競争はさらに激しくなる見通しだ。 ◇「スーパースター」ジェンスン・フアン 6年ぶりにCESの舞台に帰ってきたエヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はスーパースター級の興行力を誇示した。1万2000人を収容できるミケロブ・ウルトラ・アリーナはフアンCEOの基調演説2時間前から足の踏み場がないほど人であふれた。AI半導体産業のパラダイムを掌握した重要人物になった彼は90分間休むことなく野心を示した。彼は「いまやAIで不可能なことはない。エヌビディアはAI技術をだれでも使えるように大衆化するだろう」と話した。彼の一言一言に半導体パートナー企業の明暗が分かれた。 この日フアンCEOは消費者用グラフィック処理装置(GPU)ジーフォースRTX50シリーズと、個人用AIスーパーコンピュータと呼ばれるGB10を初めて公開した。いずれも次世代アーキテクチャーのブラックウェルをベースに設計され、新作ジーフォースは前作よりAI演算速度が3倍以上速い。彼はパートナー企業の名を挙げて言及した。新製品のGPUには「マイクロンの超高速グラフィックDRAM(GDDR7)を使った」とし、個人用AIスーパーコンピュータには「(台湾の設計専門企業)メディアテックとともに1級秘密チップ中央処理装置(CPU)を作っている」と明らかにした。生産は今回もすべて台湾の半導体ファウンドリー(委託生産)TSMCが引き受ける。サムスン電子とSKハイニックスには言及されなかった。発表直後に米メモリー企業マイクロンの株価はナスダック時間外取引で5%以上急騰し、サムスン電子とSKハイニックス株価は下落で取引を終えた。 フアンCEOは今後拡大するAI市場のあらゆる分野をエヌビディアが掌握するという野心を隠さなかった。ハードウエアであるAIアクセラレータのほかにも、産業用AI、ロボット用AI、自動運転用AIなどほとんどあらゆる分野のAIソリューションを公開した。彼は「汎用ロボットに向けたチャットGPTモーメントが近付いている。私が話した技術は数年以内に汎用ロボットとして非常に速く驚くべき突破口(ブレークスルー)を作り出すだろう」と話した。フアンCEOのワンマンショーを祝うかのようにこの日のニューヨーク証券市場でエヌビディアの株価は終値基準で149.43ドルと過去最高値を塗り替えた。