W杯アジア最終予選、日本は「厳しいグループ」?…9月の初戦・中国が重要になる「甘くない状況」
本大会チケットをもぎ取る必要がある
またしても、という表現になるだろうか。 2026年北中米ワールドカップ、アジア最終予選の組み合わせ抽選がマレーシアで行なわれ、ポット1の日本代表(FIFAランキング17位)はオーストラリア代表(23位)、サウジアラビア代表(56位)、バーレーン代表(81位)、中国代表(88位)、インドネシア代表(134位)と同じグループCに入った。 【写真】宮本恒靖が「日本サッカー協会」の新会長に就任…期待高まる手腕 オーストラリアとは5大会連続、サウジアラビアとは3大会連続と、もはや“顔馴染み”の間柄。中国とも2大会連続となり、バーレーン、インドネシアとは今年1月のアジアカップで対戦している。 サウジアラビアにはここ2大会連続でアウェイマッチに敗れているとはいえ、オーストラリア、中国には前回の最終予選で2試合とも勝利。ベスト8止まりだったアジアカップにおいてはインドネシアに苦戦を強いられながらも3-1、ラウンド16でバーレーンに3-1と勝っている。全体的には相性の悪くないグループとも言える。 本大会の出場枠が「32」から「48」に拡大することに伴い、アジア出場枠も「4.5」から「8.5」に増加。6チーム3組に分かれ、それぞれ勝ち点上位2チームが突破する。ここで決められなかった場合、各組3、4位によるプレーオフ(2組各1位が本大会へ)、そして2位対決の勝者が大陸間プレーオフへと回ることになる。 数字上はワールドカップの道のりがこれまでより楽になるのは明らか。しかしながら「ワールドカップ優勝」を目標に置くというならプレーオフに回ることなく順当に本大会チケットをもぎ取っていく必要がある。
枠が増えても厳しい戦いが待っている
気を緩めることなかれ。 「予想どおり厳しいグループに入ったな、という第一印象」との森保一監督の警戒を強めるコメントを目にして、アジアカップ後に彼から聞いた話を思い起こした。 「(ワールドカップの)出場枠が増えたことで、これまで現実的な目標として捉えられなかったチームのモチベーションが非常に高く、しっかり強化もされています。(アジアカップでも)それは感じましたし、アジア全体のレベルが上がっていると思います」 枠が増えようとも、厳しい戦いが待っていることは十分に覚悟している。 今回、自身2度目の最終予選となる森保監督には前回の苦い記憶がいまだ色濃く残っているのは間違いない。2021年9月、市立吹田サッカースタジアムでオマーン代表を迎えた初戦、0-1で敗れるという最悪のスタートとなった。 一にも二にもコンディションの悪さが目立った。真夏に中2日で6連戦をこなした東京オリンピック出場組もさることながら、欧州組が大半を占めるメンバーはシーズン当初とあって動きにキレがなかった。何度もゴールを脅かされ、逆に日本としてはまったくいいところなく完敗に終わっている。 いくらホームとはいえ、欧州各方面から集まって短時間で試合に臨む難しさがある。一方、オマーンがたっぷりと時間を掛けて準備をしてきたことは十分に伝わってきた。 インターナショナルマッチデーウィークにおける2連戦のうち、1試合目が難しくなるのは致し方ない部分もある。かつシーズン当初の9月という時期的な側面も加わって、あの「負けるべくして負けた試合」(吉田麻也キャプテン)が起こってしまったわけだ。 オマーン戦の敗戦について、フランスワールドカップ、南アフリカワールドカップと2度アジア最終予選を戦った岡田武史元日本代表監督に以前、感想を求めたことがある。 「初戦にホームでオマーンに敗れたように、いくら実力差があるといっても1カ月も入念に準備してきたチームと戦うのは本当に難しい。勝たなきゃという思いがあまりに強すぎて、やられてしまったところはあると思う」