箱根駅伝…本当に青学大の逃げ切りVに死角はないのか…原監督は「ピクニックランで帰ってきたい」と豪語も6区がポイントに
第101回箱根駅伝の往路が2日、東京・大手町~箱根町・芦屋湖の5区間107.5kmコースで行われ、青学大が5区で逆転して5時間20分01秒で2年連続7度目の往路優勝を果たした。2位は中央大で、3位には早大が食い込んだ。今日の復路での青学大の逃げ切りVは揺るがないのか。それとも…。 【表】 箱根駅伝2025で注目すべき”特別”な5人のランナー
箱根駅伝2025の往路はドラマが満載だった。1区は当日変更で入った中大・吉居駿恭(3年)が快走。序盤で抜け出すと、兄・吉居大和(現・トヨタ自動車)が持つ区間記録に近いペースでぶっ飛ばした。後半はペースダウンしたが、区間歴代4位の1時間01分07秒を叩き出して、後続に1分32秒以上の差をつけた。 花の2区は「最強留学生」の呼び声が高い東京国際大のリチャード・エティーリ(2年)が12人抜きを披露。先輩のイェゴン・ヴィンセント(現・Honda)が保持していた区間記録(1時間05分49秒)を大幅に塗り替える1時間05分31秒をマークした。創価大・吉田響(4年)も区間記録を上回り、1時間05分43秒の日本人最高記録(従来の記録は1時間05分57秒)を打ち立て、13人抜きを演じたのだ。 1区吉居で勢いに乗った中大は2区の溜池一太(3年)が1時間06分39秒の好タイムで独走。3区の本間颯(2年)が区間歴代4位の1時間00分16秒で区間賞を獲得して、10000m27分台トリオで2位の創価大に1分34秒ものリードを奪うことに成功した。 しかし、終わってみれば、青学大の完勝だった。1区宇田川瞬矢(3年)が10位と出遅れるものの、2区の黒田朝日(3年)が今年も爆走。吉田響に1秒及ばなかったが1時間05分44秒の区間新記録で3位に急上昇した。3区の鶴川正也(4年)が区間4位でつなぐと、4区の太田蒼生(4年)が日本人最高記録の1時間00分24秒(区間歴代2位)で快走する。創価大を抜き去り、中大に45秒差まで迫ったのだ。最後は5区の若林宏樹(4年)が1時間09分11秒の区間賞・区間新記録で中大を悠々とかわして、2年連続となる往路Vのゴールに飛び込んだ。 往路を連覇した原晋監督は、「本当は1区や3区で、もう少し楽にできる場面があったんですけど、駅伝はトータルで戦うもの。5人がよく頑張った。黒田と太田、若林は経験していますし、実績あるので別格ですよね。21年目のシーズンですけど、最高のチーム。力があるので、ある意味勝って当然ですが、勝ててホッとしています」と笑顔を見せた。なお青学大は前回同様、黒田と太田を当日変更で起用している。 一方のライバル校はスタートダッシュに大成功した中大が往路2位に食い込み、「山の名探偵」こと5区の工藤慎作(2年)で浮上した早大が同3位に入った。 駒大は「1時間8分台」と「山の神」を目指した山川拓馬(3年)が1時間10分55秒の区間4位と伸び悩み、往路4位。創価大が同5位で続く。出雲、全日本に続く3冠を狙う國學院大は、「5区は1時間10分台ぐらいでいける状況かな」と前田康弘監督は話していたが、高山豪起(3年)が1時間12分58秒の区間14位と苦しみ、往路を6位で折り返した。 トップ青学大とのタイム差でいうと、2位の中大は1分47秒、3位の早大は2分29秒、4位の駒大は3分16秒、5位の創価大は3分37秒、6位の國學院大は5分25秒だ。青学大の絶対優位は間違いないが、残っているメンバーを見ながら、復路の戦いをシミュレーションしてみたい。 まずは連覇を目指す青学大だ。原監督は、「山下りのスペシャリストの野村が後続に30秒以上離して、7、8、9、10区はピクニックランで帰ってきたい」と語っており、総合連覇に向けて自信満々だ。
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