親が認知症にならないか心配です。私が「後見人」になれば預金も引き出せますか?
成年後見人になると被後見人のために使うお金を預金から下ろせる
成年後見人には、被後見人の財産を管理することが正当な権限として認められています。親の成年後見人になれば「本人の利益を守ること」を逸脱しない範囲で、本人の生活費などを預金から引き出すことが可能です。 ただし、後見人として親の預金を管理するには、銀行で「後見の設定」の手続きをして、通帳等の名義を被後見人である親と後見人である家族の連名に書き換えなければなりません。家族だからといって、手続きを経ずに預金を勝手に出し入れすることはできないため注意しましょう。
成年後見人になるのに必要な費用
成年後見人になるには、成年後見制度の利用を申し立てるための費用が必要です。法定後見制度の場合、次のような費用がかかります。 ・申立手数料(収入印紙):800円 ・登記手数料(収入印紙):2600円 ・郵便切手代 ・必要書類の取得費用 ・医師の鑑定料:~10万円程度 成年後見人には通常、報酬(月額2万円~)を支払う必要がありますが、家族が成年後見人になった場合には無収入である場合が多いようです。 任意後見制度の場合は、任意後見監督人の選任を申し立てる費用が必要です。 ・申立手数料(収入印紙):800円 ・登記手数料(収入印紙):1400円 ・郵便切手代 ・必要書類の取得費用 また、任意後見監督人に報酬を支払わなければなりません。報酬の目安は次のとおりです。 ・財産管理額が5000万円以下:月額1~2万円 ・管理財産額5000万円超:月額2万5000円~3万円
成年後見人になることは認知症の家族の預金を管理する有効な手段
認知症の親の成年後見人になると、親の生活費や医療費などの支払いのために預金を下ろす権限が得られるほか、契約の代理や不当な契約の取り消しなども行えるようになります。後見人になるための申し立て費用は数千円程度で、家族間であれば高額な報酬も発生しません。 親が認知症になって預貯金の引き出しができなくなったり、財産をきちんと管理できず不利益を被る不安があったりする場合は、家族が後見人となって、財産管理をサポートする方法を検討するとよいでしょう。 出典 厚生労働省 ご本人・家族・地域のみなさまへ(成年後見制度とは) 厚生労働省 成年後見人等の選任と役割 任意後見制度とは(手続の流れ、費用) 厚生労働省 法定後見制度とは(手続の流れ、費用) 法務省 Q3~Q15 「法定後見制度について」 一般社団法人 全国銀行協会 成年後見人は銀行に届出を | F.銀行で手続き 裁判所 成年後見関係事件の概況 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部