「玉木潰しだ」「無能より、不倫する有能がいい」との声も…。玉木氏の「不倫報道」でも無傷か、国民民主党がここまで躍進した理由とは?
政治学者の吉田徹は、「ポピュリズムはなるべく『人々』とダイレクトな結びつきを作ろうとする」「リーダーと国民の直接的な対話や結びつきを重視するからこそ、ポピュリスト政治家はメディアを手段として最重要視する」(『ポピュリズムを考える 民主主義への再入門』NHKブックス)と指摘したように、とりわけ後者のポピュリズムはSNSなどのメディアを活用して人々と直接つながろうとする。 だが、票数を稼ぐためのコミュニケーションではなく、国民のニーズを把握するためのコミュニケーションであることがうかがえ、この点においても国民民主党のバランス感覚は興味深い。
このように状況を分析すると、日本のポピュリズムも新しい段階を迎えたといえるかもしれない。 特に2019年以降、新興政党を危惧する声が聞かれるが、実のところ少数派の不安や不満が国政政党という正式な回路を持つことによって、かえって過激化や地下活動を抑止する安全弁として機能する面がある。これは馬鹿にならない。 ポピュリズムの効能もまったく同じであり、結局のところ、わたしたち一人ひとりの有権者が実地で学習していくしかないのだ。
真鍋 厚 :評論家、著述家