「agnès b.」の魅力を徹底解剖 現役デザイナーのオフィススペース&アトリエへ足を踏み入れる
日本の職人も一翼を担う
「agnès b.」はシンプルで着心地がよく、ディテールにまで配慮された上質でベーシックなアイテムが支持されているブランドだ。持続可能性という言葉が謳われるずっと以前から、長く着られるタイムレスなデザインを基盤にしてきた。 現在展開しているラインは、レディースのファム(FEMME)をはじめ、メンズのオム(HOMME)、キッズ&ベビーのアンファン(ENFANT)、バッグや服飾雑貨のボヤージュ(VOYAGE)、日本でのみ展開しているレディースセカンドラインのトゥービー バイ アニエスベー(To b. by agnès b.)と幅広く、その全てにアニエス自身がデザインとセレクトに携わっている。
これら全てのコレクションは、パリ10区に位置する本社で生み出されている。吹き抜けの開放感ある地上階は、ショールームとして最新コレクションを展示するスペース。訪問時は2024-25年秋冬シーズンのメンズコレクションが並べられており、壁には着想源となった映画のポスターが飾られ、そのシーズンの世界観を伝えてくる。 そのアイテムの中には、日本で生産されたジーンズやウールも含まれる。「agnès b.」は美しい洋服に仕立て上げる、日本の職人が受け継ぐ伝統技術と、ディテールまで行き届いた丁寧なものづくりの姿勢に魅せられ、北は北海道の網走から南は熊本の荒尾まで、現在59に上る生産者と協業している。
ブランドのアイコンであるボーダーTシャツとカーディガンプレッションの縫製は、島根県を拠点とするカットソー縫製工場「島根ナカムラ」で裁断と縫製が行われ、さらにカーディガンプレッションは1889年創業の岐阜県にある染色加工業「艶金」で、環境に配慮した手法で染色されている。 「agnès b.」の高品質なアイテムは、フランスはもちろんのこと、日本の職人もその一翼を担っているのだ。