「カレーと国語」 なぜこの組み合わせ? 不思議な看板のお店に入ってみたら
カレーと国語、二刀流の理由
学習塾で15年ほど講師として働いていたという保科さん。 約4年前、独立して自分の塾を持つ準備をしていましたが、ある問題があったそうです。 「学習塾って、生徒が来ない昼間はお店のスペースを生かせないんですよね。その時間を有効に使えないだろうかと考えていました」 そんな時、毎日のように通っていた銀座のグリーンカレー専門店が閉店することを知ったそうです。 「オーナーにレシピをもらえないか相談したら、『ただのお客さんには教えるつもりはありません。もし、ご自分でお店を構えるつもりがあるのならお教えします』と言われたんです」 この時、昼間はグリーンカレー、夕方は学習塾というスタイルのお店でやっていくことを決めたという保科さん。 もらったレシピを元に1カ月ほど試行錯誤を続け、2020年5月、オープンにこぎ着けました。 「グリーンカレー&国語教室M」のアルファベットは、保科さんの名前の「雅之」と閉店した店のイニシャルがともに「M」だったことからつけたそうです。
できることだけをやる
メニューはグリーンカレーだけ、教える科目は国語だけと、一点に特化した営業スタイルの理由を、保科さんはこう話します。 「1人でやっている店なので、あれもこれもとはいきません。できないことはやらない。できることを磨いていくスタイルでやっています」 開店から4年。今では常連のお客さんも増え、塾の方も募集枠がすぐに埋まるようになってきたそうです。 今でも「どんな店なのか気になって」と看板に興味を引かれてやってくるお客さんも少なくないそうです。 来客増に対応するためもっと多くのカレーを用意することも考えたそうですが、一度にたくさん作ろうとすると作業が滞ったり、カレーの味が変わってしまったりすることがあるため、断念したそうです。 看板が話題になったことについて「宣伝が得意ではないので、SNSなどで取り上げてもらえるのはとてもありがたいことです」と保科さん。 今後のお店の経営については「派手なことはせず、細く長くやっていけたらと考えています」と話しています。