イチロー、マ軍残留なら3000安打の来季達成は赤信号?!
では、どのチームなら、出場機会に恵まれるのか。 実は、古巣マリナーズが、穴場だ。来季、固定された外野手はネルソン・クルーズただ1人。いや、彼は指名打者も兼ねるので、実質的には外野の全ポジションが空いている。マリナーズの場合、総額年俸のうち半分以上をロビンソン・カノー、フェリックス・ヘルネンデス、クルーズの3人で占め、予算を圧迫。年俸総額の圧縮にも動いていることから、大物FA(フリーエージェント)外野手との契約は難しい。 かといって、マイナーに有望な外野手もおらず、本来遊撃手のブラッド・ミラーをセンターにコンバートして凌ごうとしているが、守備はお世辞にも上手いとは言えず、打撃が良ければ我慢して使うだろうが、打率が2割5分前後では厳しい。おそらく来季は、契約が残るセス・スミスを主にレフトで起用するのだろうが、左投手との通算打率が2割3厘と極端に低く、スタメン出場は相手先発が右の場合に限られるため、使い勝手が悪い。となると、現実的には少なくとも1人はトレードで獲得して穴を埋めるはずだが、外野手全体の層の薄さを根本的に解決するのは困難だ。 28日、新しくマリナーズのゼネラルマネージャーに就任したジェリー・デュポットは、「セイフコ・フィールドは広い。外野には身体能力が高い選手が必要だ」と話した。となると、今のマリナーズでそれに該当するのは、今季の打率が1割2分のジェームス・ジョーンズただ1人という状況である・・・。 マリナーズはあくまで一例だが、記録を見据えるなら、マーリンズよりも実現の可能性が高まることは、明白だ。 今季は残り5試合。最低でもあと10回は打席に立つだろうが、何本ヒットを打つか。ここまで来るとその影響は小さくない。 あと66本ーー。遠くもないが、近くもない。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)