イチロー、マ軍残留なら3000安打の来季達成は赤信号?!
マーリンズが、イチローとの再契約にグイグイ積極的だ。 が、それは何を意味するのか。 現地時間9月28日、現在、イチローの今季通算安打は90本ちょうど。メジャー通算は2934安打で、3000安打までは、あと66本となっている。 これなら、来季中には達成か、というところだが・・・。 つまるところ来季、どれくらい出場機会を得られるか。まず今年に関していえば、想定外といってもいいほど出場機会に恵まれた。29日現在、チーム最多の148試合に出場し、426回打席に立った。開幕前、あくまでも4番手の外野手という位置づけだったため、「300打席立てれば多い方」と地元記者らも見ていたが、その予測を大幅に上回った。 その背景ーー。まず、レフトのクリスチャン・イエリッチが、2度も故障入りした。センターのマーセル・オズナは、不振でマイナーに降格。ライトのジャンカルロ・スタントンは6月26日にスイングをしたときに左手の有鉤(ゆうこう)骨の骨折し、当初は復帰まで4~6週間と診断されたが、29日、今季は復帰しないことが発表されている。メジャーでも屈指と見られていたトリオの名前が、揃ってスタメンから消えたことで、イチローにチャンスが回って来たのだ。 しかし来季、どこでプレイするにしても、同様の打席数が得られる保証はない。仮に今季同様の打席数ならば、メジャー通算3000本安打達成は、間違いないだろう。ただ、今年と同じような状況が訪れると考えるのは、少々都合がいい。特に、マーリンズのオファーを受け入れた場合、今季よりも出場機会が減るのは、確実だろう。来季もレギュラー3人がことごとく離脱するとは予想しがたい。 おそらく現実的な出場機会は、代打と主力が休養を必要とするときにスタメン出場ーーというパターン。ではその場合、どの程度出場機会があるのか。 月に27試合出場するとして、スタメン出場を5試合と仮定すると20打席。代打で22打席。合わせて42打席。6ヶ月とすると、年間想定打席数は252打席ということになる。打数は、打席数から四球、犠打などの数をキャリア平均(7.4%)に倣って引くと233。これで仮に66本を打つとなると、打率は2割8分3厘が必要だ。打数が200まで下がれば、求められる打率は3割3分。打数が少なくなればなるほど、66本のハードルは上がる。 以下、簡単に66本を打つのに必要な打率を、打数ごとにまとめてみた。 打数 66安打を打つのに必要な打率(90安打で今季終了と仮定) 300 .220 275 .240 250 .264 225 .293 200 .330 こうして見ると、66本は微妙な数字だ。 以上はナ・リーグのチームとの契約を想定しているが、ア・リーグの場合は、投手が打席に立たないので、代打の数がさらに減るかもしれない。いずれも誰かが故障し、代わってスタメン出場が増えるケースは想定していないが、4番手の外野手で1年を過ごすなら、どちらのリーグでプレイしたとしても、やはり200~300打席が現実的な数だろう。