稲垣好&芹澤優、『僕の妻は感情がない』は「自由かつ無敵のテーマ」を持つ作品
■“愛おしい”キャラクターたちと、“尊い”関係性
TOKYO MX、MBS、CBCほかにて放送中のテレビアニメ『僕の妻は感情がない』。原作は、「月刊コミックフラッパー」(KADOKAWA)にて連載中、「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第6位入賞の杉浦次郎による同名作。一人暮らしの社畜サラリーマン・小杉タクマと、リサイクルショップで購入した家事ロボット・ミーナの少し変わった夫婦生活を描く。この度、ミーナ役の稲垣好、ミーナの最上位モデルである家事ロボット・スーパーミーナ役の芹澤優にインタビュー。作品やキャラクターの印象、アフレコ裏話のほか、人と仲良くなる秘訣を聞いた。 【写真】可愛らしい“ポーズ&表情”に注目! 稲垣好&芹澤優、撮り下ろし2ショット ――初めて原作に触れた際の印象は? 稲垣:様々な家族の形や、愛を学べる作品だと感じました。読み進めていくにつれ、ミーナちゃんをより愛しく思えてきて、“ロボットを可愛いと感じる”という自分の中の新しい扉が開けましたね。 芹澤:ミーナちゃんを愛しいと思うからこそ、様々な感情が溢れました。人間同士の夫婦ではなく、彼女がロボットだからこそ出てくる“障壁”に、何とも言えないもどかしさを感じました。 ――演じるキャラクターの印象、アフレコの際に意識していることは? 稲垣:ミーナちゃんは料理と食器洗いに特化した“家事ロボット”です。そのことに誇りを持っていますし、負けず嫌いな一面もあります。それに加え、所有者である小杉タクマ(CV:豊永利行)をとても大切にしているので、その点を前提として演じました。 大事にしたのは、どうやって感情を表現するかということです。彼女には感情がないので、動きによる声の抑揚を意識しました。シュン…とした時は下を向くので、音量や、その動きの声の出し方に合わせるといった感じです。また、SiriのようないわゆるAIの口角が上がった喋り方だと、逆に感情が見えづらくなるので、絵の通りに口角を下げていました。 “技術的な工夫”をすごくさせていただいた気がします。 一番大変だったのは、息が続かなかったことです。説明セリフが多かったので、だんだんと声が消えていく時もありました(笑)。ロボットなので、息継ぎの音を入れたくなかったんです。 芹澤:スーパーミーナちゃんは、ミーナちゃんの最上位モデルで、肌も柔らかく、動きも表情もすごく豊かなロボットです。感情を搭載しているのですが、気持ちのグラデーションは人間が持つものだと思うので、逆にテンションは0か100を意識して演じました。猫の話を振られたりしたら100になるし、迷惑をかけてしまったらすぐに0になるみたいな。参考にしたのは子どもですね。見た目にしては幼い内面だけど、彼女の役作りとしてピッタリということで、その方向性で演じました! ――お互いのキャラクターの関係性についてはいかがですか? 稲垣:感情表現の仕方は全く違うのですが、お互いを大切にしている所は一緒です。ミーナちゃんも普段はなかなか言わない「大切なお友達です」とストレートに言葉にしますし、ミーナ同士は何か通じているのかな?(笑) 芹澤:スーパーミーナちゃんにとって、ミーナちゃんは憧れのお姉ちゃん的な存在だと感じました。彼女が想像していなかった“妻”という新しい可能性を示してくれたので。また、2人それぞれ得手不得手があるからこそ、お互いに補いあえる関係だと思います。 ――小杉タクマにはどのような印象を抱いていますか? 稲垣:とても性格が良い方なので、なぜモテないのか疑問です(笑)。最初はミーナちゃんを連れ歩くのが少し恥ずかしい気持ちもあったと思うのですが、段々と周りに対して「ミーナちゃんは僕の妻なんだ」と言えるようになり、自分の気持ちに素直になって、彼女と向き合っている点がすごくかっこいいです。だからモテてほしいなぁ。あ、でもミーナちゃんが嫉妬しちゃうかもしれませんね! 芹澤:こんな旦那さんが欲しいです! 結婚するにあたって、「家事をやりたい」「一緒にいろんな時間を分かち合いたい」と最初に言えるところが素晴らしい。ずっと自分にときめいてくれそうな点も好きです。 また、ミーナちゃんへの接し方のほかに、第1話冒頭の満員電車でリュックを前に持ってすごく小さくなっている姿からも、人の嫌がることをしないという彼の性格が垣間見えました。他人に対する配慮の気持ちがにじみ出ているキャラクターだと思います。