霧島酒造とスターバックスのコラボ施設が2026年春オープン! 建築は隈研吾
コロカルニュース
■建築を手がけるのは隈研吾氏。コーヒー豆かすやシラスを内装に活用したコラボレーション施設 1916年、宮崎県都城市で創業した本格焼酎メーカーの〈霧島酒造〉。全国的知名度を誇る焼酎〈黒霧島〉は、九州産100%のさつまいもに、都城盆地の地下水100%、麹米は国産100%、そして都城市の自社工場生産100%と、地域と自然を大切にした焼酎づくりを行っています。 【写真で見る】施設の象徴となるのがガラス張りの植物園。その内部イメージ。 同社が〈スターバックス〉と共同プロジェクトとして現在進めているのが2026年春オープンのコラボレーション施設です。 「この場所が“みんなの憩いの場”となるように」と願いが込められた同施設。自然環境と調和した、地域社会と共生していくための気づきやアクションにつながる発信の場として展開されます。 施設の建築を手がけるのは、建築家・隈研吾氏。霧島酒造とスターバックスが描く、持続可能な未来への想いを体現しつつ「その土地の環境、文化に溶け込む建築」と両社の想いが融合した施設を目指しています。 建物は、和を感じられる竹の魅力を最大限に引き出すことで、自然を感じながらゆったりと落ち着くことができるデザイン。吸い込まれるような意匠が印象的なエントランスから施設に入ると、晒竹(さらしだけ)のゆるやかな曲面の天井に包み込まれた、竹本来の温かさが醸し出す開放的な空間が広がります。壁面には〈スターバックス〉のコーヒー豆かすと、九州南部の土壌を形成するシラスが混ぜ込まれた内装ボードを使用。施設の随所で自然の恵みを感じられます。 ■約80種類の亜熱帯植物が楽しめる、ガラス張りの植物園も 施設の象徴となるガラス張りの植物園は、緑あふれる空間のなかで人と自然の関わりを体感できる場所です。「暮らしを支える植物」「味覚で楽しむ植物」「彩りを添える植物」「水と共に生きる植物」の4つのテーマに沿った、約80種類の亜熱帯植物が楽しめます。 「味覚で楽しむ植物」のエリアでは、両社の商品を支える大切な原料である、コーヒーの木やさつまいもなどを生育。「水と共に生きる植物」のエリアでは、水辺の植物とともに錦鯉が泳ぐ姿を見ることができ、水や緑、光が織り成す自然の豊かさを感じることができます。 また、施設屋内に設けられる客席や、植物園内、芝生エリアにあるテラス席では、くつろぎながらコーヒーを楽しめるのはもちろん、子どもが自然と触れあいながら遊べる場としても利用できます。さらに、エントランス横の階段を上った先には、霧島山や沖水川の雄大な姿を一望できる屋上庭園も整備。都城の豊かな自然の魅力を感じながら特別なひとときを過ごせます。 ■施設の電力にサツマイモ発電を活用、たい肥づくりワークショップなどサステナブルな取り組みも推進 この植物園では、霧島酒造の焼酎を製造する過程で発生する蒸留温排水の熱エネルギーを活用することで、年間を通して植物のさまざまな表情を見ることができます。さらに、施設で利用する電力はサツマイモ発電(焼酎粕や芋くずから生成したバイオガスを電気に変換してつくられる、霧島酒造の再生可能エネルギー)100%で運用される予定です。 また、施設では両社の強みを生かした地域社会や自然環境に前向きなアクションも実行していくそう。たとえば、両社の事業活動により排出される焼酎粕やコーヒー豆かすを用いた「たい肥づくり」など、自然の恵みを体感できるワークショップが計画されています。できあがったたい肥で苗木を育成し、将来的には植林するなど、これらの活動を地域の循環に繋げていこうとしています。 この施設を通して、日々の地域とのつながりを大切にしながらひとりひとりの日常に彩りを添える時間を提供することを掲げる霧島酒造とスターバックス。持続可能な未来を目指し、両社の強みを生かした前向きなアクションにも注目です。 information 〈霧島酒造〉×〈スターバックス〉コラボレーション施設 住所:宮崎県都城市下川東4丁目 霧島酒造 本社増設工場北側 writer profile Riho Nakamori 中森りほ なかもり・りほ●東京生まれ東京在住のフリーライター/編集者。仕事やプライベートで月に1回以上、地方や海外へ。各地のおいしい食べ物やお酒、素敵なホテルや旅館を発掘するのが趣味。好きな番組は『ブラタモリ』『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』。 【コロカルニュース】とは? 全国各地の時事ネタから面白情報まで。コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。