50km逃げたバルデがオープニングウィン! 初のマイヨ・ジョーヌ着用|ツール・ド・フランス
バルデとファンデンブルークが劇的逃げ切り
フィニッシュまでおおよそ50kmを残して上った2級山岳コート・ド・サン・レオでは、先頭グループにも変化が見られ、数人がドロップ。メイン集団でも大きな局面を迎え、バルデがアタックを試みた。 これを受けて、先頭を走っていたファンデンブルークがペースを緩めてバルデを前待ち。両者が一緒になると、ペースを上げて前を走っていたマデュアスに追いついた。一方のメイン集団は、EFエデュケーション・イージーポストやヴィスマ・リースアバイクがペーシング。残り約40kmでマデュアスを振り切った先頭のdsm勢2人と集団とのタイム差は、1分30秒ほど。集団からベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)が追走を試みるが、15kmほど進んだところで集団へと引き戻されている。 最終登坂を終え、フィニッシュまで25kmを残したところでの先頭2人と集団とのタイム差は1分35秒。ヴィスマ・リースアバイクのほか、イネオス・グレナディアーズやリドル・トレックも集団牽引に加わり、逃げる2人のキャッチを急ぐ。 しかし、レース序盤から積極姿勢を崩さなかった2人の走りを食い止めることは、集団の力をもってしても難しかった。残り10kmを切ってその差は1分を割ったが、バルデとファンデンブルークのペースに衰えは見られない。残り5kmで35秒、残り3kmで20秒。2人は最後まで捕まることなく、最後の直線へとやってきた。 猛追する集団をよそに、最後まで力強く踏み続けたバルデとファンデンブルーク。勝利を確信すると、両者並んでフィニッシュラインを通過。やはりここは年長のバルデが先着する形になって、今大会最初のマイヨ・ジョーヌ着用が決定。11回目のツール出場にして、初めてリーダージャージに袖を通すこととなった。 33歳のバルデは、2016年大会では個人総合2位、翌2017年には同3位と、総合表彰台を経験。その後は、個人総合優勝候補に挙げられながら不調や落車負傷などで不本意な結果に終わることもしばしば。近年はステージ狙いにシフトしつつ、長年の経験を生かして個人総合トップ10入りすることが多かった。 また、すでに来年6月のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでのキャリア終了の以降を示し、これが事実上最後のツールとなる見通し。大きな価値のある1勝を大会初日に挙げてみせた。 殊勲の走りとなったファンデンブルークは、プロ1年目の23歳。初のツールで大仕事を果たすとともに、第1ステージを終えてポイント賞とヤングライダー賞でトップに立っている。 結果的に、メイン集団はバルデから5秒差でのフィニッシュ。ワウト・ファンアールト(ヴィスマ・リースアバイク、ベルギー)が3位となり、ポガチャルが4位で続いた。ポガチャルとならび今大会の“ビッグ4”と目されているヴィンゲゴーやプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)、レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)も問題なくメイン集団でレースを完了している。 大会初日にしてプロトンがいくつにも割れ、30分前後の遅れでフィニッシュする選手たちが大多数。完走が不安視されたカヴェンディッシュは、バルデから39分12秒後にレースを完了。第2ステージに駒を進めている。