川村友斗の「必死さ」がソフトバンク全体に与える好影響 2桁勝利の力あるスチュワートは重要な年に【評論家の視点】
◆練習試合・ソフトバンク5―2韓国斗山ベアーズ(3日、ペイペイドーム) 【池田親興氏の視点】 1番に入った育成の川村の活躍が印象に残った。初回は安打で出塁して先制につなげるなど、先頭打者として機能した。1点差に迫られた直後の4回1死三塁では、左投手の代わりばなの初球をしっかり中犠飛として打点も挙げた。思い切りの良さを感じるし、失点直後の得点で勝利への流れをスムーズにした。 ■写真たっぷり!6連勝を振り返る【斗山戦テキスト速報】 川村は詰まり気味の逆方向の打球が思った以上に伸びる。体のそばに腕を引きつけ、うまくバットの芯に当てている。昨年のオープン戦では本塁打を放つなどアピールしたが開幕1軍に残れず、支配下入りもできなかった。その悔しさを胸に秘め、今季に懸けているのだろう。キャンプの最初から状態が落ちていない。 川村の必死さは、8回先頭での内野安打で一塁にヘッドスライディングした仲田、鋭い目つきをした緒方ら他の育成野手たちにも伝わっている。さらに激しいポジション争いを繰り広げる支配下選手、支配下の枠を狙う他の育成選手などチーム全体に相乗効果をもたらしている感じだ。みんなが必死になっているのは大きい。 先発のスチュワートにも触れたい。立ち上がりは球が高く、特に真っすぐの制球に苦しんだが、カットボールをうまく使えた。カットボールが生きたおかげで、高めの球で空振りも取れた。3回無失点で抑えられたのは大事なことだ。あとは出だしをもっと丁寧にいきたい。 昨季はプロ初勝利など3勝をマークした。来日6年目となる今季は、彼のキャリアの中でも重要な年になると思う。先発ローテで1年間回り、2桁勝利を挙げてほしい。そうならなければいけないし、その力はある。先発陣で有原、和田と並んで名前が挙がるような存在になってもらいたい。(西日本スポーツ評論家)
西日本新聞社