「出球の9割はフェースの向き」日本では珍しいパット専門コーチの教えVol.1
PGAツアーでは一般的な「コーチの分業制」が今、日本でも少しずつ浸透しつつある。国内ツアーでパッティング専門コーチとして活躍するのが、昨年スコッティキャメロンとアドバイザー契約を結んだ24歳の丸山颯太氏だ。プロツアーのシード選手から多くのアマチュアを指導。今回は同業のコーチ向けに行われた丸山氏のパッティング講座に潜入した。いささか難解ではあるが、アマチュアにとっても攻略のヒントになるかもしれない。(全3回) 【画像】不動裕理が大型マレットパター あの「スワンネック」はいずこへ?
「パットのコーチング」 テーマは全部で7つ
◇◇◇◇◇ パッティングのコーチングとして、テーマに挙がるのは以下の7項目。今回は順番に説明していきましょう。 1. 打ち出し方向(ダイレクション) 2. エイム(向き) 3. スピード(距離感) 4. ボールの転がり&スピン 5. ストローク 6. クラブフィッティング 7. グリーンリーディング(ライン読み)
打ち出し方向への影響は「インパクトのフェース向き>ヘッド軌道」
パットでボールが打ち出される方向には「インパクトのフェース向き」が約90%、「ヘッド軌道(スイングパス)」が約10%、影響します。この割合を逆と考えるアマチュアの方が多い。実際にはインパクトでフェースが向いた方向にボールは出やすいので、どんな軌道でもフェースが目標を向いていれば、真っすぐ出る可能性は高いわけです。 「真っすぐボールを出したいから、ヘッドを真っすぐ動かしたい」と言う方は多い。それも軌道の影響が大きいと思っているからで、軌道が真っすぐならボールも真っすぐ出ると勘違している。ですから僕のレッスンは、だいたい「フェース向きを見直すこと」からスタートします。
とはいえ、軌道が重要でないとは言えません。例えばインサイドアウト軌道の場合、ターゲットの右側にスイングしていくため、体が反応してフェースを左に向けたくなります。逆にアウトインだと左にスイングする分、フェースは右に向けたくなる。ですからヘッド軌道を整えることは、インパクトのフェースの向きがスクエアに戻りやすくすることに繋がります。軌道による打ち出しへの影響は10%と言いましたが、真っすぐ打ち出すためには重要な要素と考えています。 もちろん打ち出し方向には「打点位置」も関係します。クラブヘッドは、芯を外したときに「フェースのツイスト」が発生し、トウ側に当たるとフェースは右、ヒール側に当たるとフェースは左を向きます。打点の安定も、方向性に対して重要になるわけです。