尊敬する兄に勝利を届けられず「申し訳ない」。仙台育英のスピードスター佐藤裕は大学での成長を誓う【選手権】
今季は度重なる怪我に苦しむ
[高校選手権1回戦] 仙台育英(宮城)0-4 神戸弘陵(兵庫)/12月29日/ニッパツ 【PHOTO】全国高校サッカー選手権大会19代目応援マネージャーの藤﨑ゆみあさんも登場!全力の笑顔で入場行進! 2大会前の選手権、ニッパツ三ツ沢球技場で躍動したストライカーがいた。当時は仙台育英のエースを担い、現在は城西大でプレーし、先日のU-20関東大学選抜にも選出されたFW佐藤遼だ。1回戦で兵庫県代表の滝川二を相手に、自慢のスピードを活かして2ゴールをマークし、見事勝利に貢献した。 あれから2年の時が経ち、再び仙台育英は1回戦で兵庫県代表のチームと対戦。相手は神戸弘陵、舞台はニッパツだ。 「自分が1年の時、兄が3年で試合に出て、滝川二に2点を決めていました。今度もこのピッチ(ニッパツ)で、相手が兵庫代表で...通ずるものがありました」と、かつて佐藤遼が見せた活躍の再現を目ざしていたのは、兄を追い、FC駒沢から仙台育英に入った2つ年下の弟、FW佐藤裕だった。 1年生から公式戦出場を重ねていたが、今季は度重なる怪我に苦しんだ。チームはプリンスリーグ東北から降格し、宮城県リーグU-18の1部でプレーすることとなり、総体予選では準々決勝で多賀城に敗れベスト8に終わるなど、非常に苦しい状況だった。 そんななかで佐藤裕は、選手権の予選でも怪我が思うように回復せず、決勝の東北学院戦で途中出場したものの、目立った活躍を見せられなかった。チームは夏からの積み上げが功を奏して、2年ぶりの選手権出場を勝ち取った。高校年代最後の大会で全国の舞台に立つ可能性は残された。 その後、県リーグ1部優勝を決めた仙台育英は12月16~17日、Jヴィレッジで行なわれたプリンスリーグ東北プレーオフに出場。選手権予選で活躍した長身2トップのFW菊地蓮太(3年)とFW伊藤俊輔(3年)が共にコンディション不良で、菊地は欠場、伊藤は初日は途中出場だった。 そして佐藤裕に先発のチャンスが巡ってきた。初戦の明桜戦では決勝点を決めてみせた。2戦目の遠野戦は、PK戦までもつれたが勝利した仙台育英が、1年でのプリンスリーグ東北復帰を果たした。 「スタメンを取ってやろうと思って、結果が出て嬉しい」と喜んだ佐藤裕は、その後の選手権事前合宿でも好調をキープし、神戸弘陵戦は左サイドハーフで先発の座を射止めた。「手応えは掴めていました」と試合に臨んだ。
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