ソフトバンクの過去10年のドラ1に「1億円プレーヤー」はゼロ! 今年のドラ1・前田悠伍は壁を破れるのか?
2023年のドラフトで前田悠伍投手(大阪桐蔭出身)を1位指名したソフトバンク。世代No.1左腕は常勝軍団の競争を通じて、どんな投手に成長するのか。 成功した選手のひとつの指標になるのが年俸である。今オフの契約更改では、11人のソフトバンクを筆頭に、計83人の「1億円プレーヤー」がいる(12月26日現在)。 【一覧】過去10年のソフトバンクドラフト1位の選手たち 前田同様にドラフト1位でソフトバンクに入団した過去10年の選手たちを振り返ってみると、ソフトバンクのドラフト戦略がなかなかうまくいっていない現状が見えてくる。 過去10人の中で、既に2人は現役を退いた。今回のオフで引退する決意を固めた高橋純平投手(県立岐阜商出身)は2015年のドラフトで入団。1軍では56試合に登板したが、4勝3敗19ホールドという結果でユニフォームを脱いだ。 高橋の2年後のドラフト、2017年で入団した吉住 晴斗投手(鶴岡東出身)も、もう引退している。フレッシュオールスターで登板するなど、アピールし続けたものの、1軍登板は叶わずに、戦力外となってしまった。 新天地で奮闘している選手もいる。2013年のドラフト1位だった加治屋 蓮投手(宮崎福島高出身)は、2021年から阪神へ。今季は51試合に登板するなど、チームの日本一に貢献した。 2016年の田中正義投手(創価出身)は日本ハムで一気に花開いた。ソフトバンクでは1軍通算34試合の登板だったのが、今季は一気に47試合に登板し、悲願の1軍初勝利も手にした。2024年も活躍できるか。 前述した4人を除き、残り6人はソフトバンクに残っている。そのなかでも2014年のドラ1・松本 裕樹投手(盛岡大附出身)、2018年のドラ1・甲斐野 央投手(東洋大姫路出身)は戦力として活躍中だ。 ともにリリーフ陣の一角を担うが、松本はキャリアハイとなる1軍53試合登板で25ホールドと結果を残した。甲斐野はルーキーイヤーでいきなり65試合登板とブレークして以降、苦しむ時期があったが、2023年は46試合登板と復帰の兆しを見せた。 一方で2019年のドラ1・佐藤 直樹外野手(報徳学園出身)は育成契約になるなど、苦しんでいる選手もいる。 大台とされる1億円プレーヤーも、まだこの10人の中にはいない。苦しんでいる印象を受けるが、このなかからドラ1の評価に応えるような選手が出てくることを楽しみにしたい。