やる気のない部下の「目の色が変わる」指導法3つ、子どもに宿題をさせることとよく似ている
■「パフォーマンスを上げろ」という発破は意味がない また、よく「もっと仕事の質を上げろ」「パフォーマンスを上げろ」といって発破をかけるリーダーがいますが、ただそんなことを言われても、部下やメンバーはなにをすればいいのか一向にわからず、仕事の質も上がりません。 「パフォーマンスを上げろ」といって上がるのなら、苦労しないでしょう。そうではなく、パフォーマンスを上げたいのなら、具体的にパフォーマンスを上げることができる選択肢を提示する必要があるのです。
そのためにこそ、まずメンバーの可能性を信じてあげることが大前提であり、それを信じてあげてはじめて、各々の可能性を模索することができます。 もちろん、部下やメンバーの可能性や、得意なことを模索してあげようとしても、なかなかうまくいかない場合もあるでしょう。 例えば、「Bという仕事をやってみる?」と選択肢を提示しても、その仕事が本人にとって気が進まない、「やりたくない」ことである場合も往々にしてあり、本人の「納得感」が薄く、結局は仕事の質も上がらないという事態はよく見られます。
こうした人と仕事のマッチングは、確かにリーダーにとって頭が痛い問題ですが、大切なのは、「どのようにしてその仕事に向き合わせるのか」「どういうかたちで挑戦させるのか」を考えて導くことです。 このことは、それこそ「宿題しなさい!」といってもなかなかやらない子どもに、うまく宿題をさせることと似ている面があります。 つまり、命令だけをしても全く効果はなく、ただ選択肢を提示するだけでもなく、そこには部下やメンバーの動き方をフォローする向き合い方が必要なのです。
■苦手だと思っていた仕事が「食わず嫌い」なことも 具体的な方法は、人やシチュエーションによって変わりますが、およそ3つの方向性が考えられます。 ①「やり方」を伝える ②「区切り」をつける ③「伝え方」を工夫する ①は文字通り、仕事の具体的なプロセスや、ポイントになる作業のコツなどの方法を丁寧に伝えてあげることです。 最初からものごとを自分で考え、最適な方法を自力で編み出していける人ばかりではありません。まずは、普遍的な「やり方」を身につけるからこそ、そこから自分なりの応用を考えられるようになるのです。