建築家で文化功労者の谷口吉生さん死去…87歳、米ニューヨーク近代美術館改修
米ニューヨーク近代美術館(MoMA)の増改築や、愛知県の豊田市美術館など数多くの美術館・博物館設計で知られた建築家で文化功労者の谷口吉生(たにぐち・よしお)さんが16日、肺炎のため死去した。87歳だった。
父は建築家の谷口吉郎。慶応大、米ハーバード大で建築を学び、東京大の丹下健三研究室、丹下の設計事務所を経て独立。資生堂アートハウス(静岡県)の設計で日本建築学会賞、土門拳記念館(山形県)で日本芸術院賞を受賞した。
建物の前に人工の池を配すなど、透明感や深い精神性を感じさせる建築を特色とした。他の代表作に東京都葛西臨海水族園、東京国立博物館・法隆寺宝物館、京都国立博物館・平成知新館など。映画「ドライブ・マイ・カー」に登場した広島市環境局中工場は、映画が2022年に米アカデミー賞を受賞すると話題を呼び、多くの見学者が訪れた。
日本芸術院会員、米建築家協会・英王立建築家協会の名誉会員。金沢市に「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館」がある。