[山口県]中学新制服 ブレザーに統一 宇部市、来年度から スラックス・スカート選択 夏はポロシャツもOK
宇部市は来年度、市立中学校で統一デザインの制服を導入する。多様性や機能性などに配慮し、男女ともにブレザーでスラックスとスカートを選択でき、夏場は新たにポロシャツも着用できるようになる。市内12校のうち先行導入した2校を除く10校で採用する。 【写真】学校ごとに独自のネクタイやリボンの柄を採用する ブレザーは瀬戸内海の青を基調とした濃紺色、ボトムは宇部の石炭をイメージしたという。ポロシャツは外側に出すタイプで、白色と下着の透け防止のための紺色も用意。ネクタイやリボンは、学校ごとにスクールカラーや地域の特色などを表現した独自のデザインやカラーを採用した。 全国的にはブレザーやスーツへの移行が進み、県内でも岩国市が本年度から市立中学制服をブレザーに統一している。宇部市の従来の制服は詰め襟とセーラー服だが、先行して22年度に藤山中、23年度に東岐波中がブレザーを導入しており、今後詰め襟やセーラー服の価格上昇も見込まれることから、残る10校でも制服の見直しに着手した。 昨年11月に保護者や児童生徒を対象に実施した制服改定のアンケートでは、賛成または「どちらでも良いが」が9割を占めた。これらを踏まえて中学校長会を中心に制服改定委員会を設置し、検討を進めた。 このほど改定委員会の委員3人と市内5校の生徒たちが市役所を訪れ、篠崎圭二市長に完成を報告した。会長の大山隆史・川上中学校長は「多様性に対応できる制服であってほしいとの思いで改定を進めた。生徒や保護者に末永く愛されてほしい」と述べた。 生徒5人は新制服を着用し披露。各校のネクタイやリボンのデザインに込めた意味や思いを紹介し、全校生徒でアイデアを出したりアンケートを取ったりして決めたことを説明した。 上宇部中3年の生徒(14)は「素材が柔らかく通気性も良くて快適に過ごせそう」、川上中3年の生徒(14)は「ジェンダーレスでスラックスもスカートも選ぶことができて良い。各学校で受け継がれている伝統も意識することができる」と話した。 新制服は在校生の制服のおさがりに対応するため、来年度から5年間の移行期間を設ける。