17世紀の哲学者・バルタザールが指南する、「賢い人」が人間関係を構築する5つのポイント
あっという間に過ぎていく人生の中でより良い人間関係を構築するのは難しい。しかし、賢人が知っている人間関係構築術を知れば、私たちの人生はより充実したものになるだろう。17世紀の哲学者バルタザール・グラシアンの言葉から、すぐ実践できる人間関係の知恵をお送りする。※本稿は、バルタザール・グラシアン著、齋藤慎子訳『バルタザール・グラシアンの賢人の知恵 エッセンシャル版 クラシックカバー』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 人間関係の知恵1 聡明な人とつきあう 聡明な人とつきあえることは実に幸運なことだ。 無知や誤解といった危険から身を守り、災難から救ってくれる。野蛮人のように敵国兵士を片っ端から捕えては家来にするよりも、聡明な人に仕えてもらうほうがどれほどいいか!自分より優れている人に尽くしてもらえるようになれば最高だ。 知識は後々まで残るが、人生はあっという間だ。知識のない人は滅びる。だから、多くの人から学び教わることを厭ってはいけない。 人は自分が学んだすべての賢人の言葉を語り、その努力を通じて自らも賢人となる。これが達成できるのは優れた人物だけだ。まず学び、次に自分の得た知識のエッセンスを教えるのだから。そこまでの知識を身につけるのは無理でも、せめて知識に親しむ努力をしよう。 ● 人間関係の知恵2 自分と対極にある人とつきあう 見習いたいと思えるような人を手本にしよう。尊敬する人に常に接し、その判断力や態度、ふるまいを学びとろう。自分の欠点と対極にある人とつきあうこと。自分が大酒飲みなら酒はたしなむ程度という人たちの仲間に加わり、粗野なら温和な仲間を選ぶのだ。
森羅万象は対比から成っている。対比があるから世界は持続し、しかも美しい。このことを頭に入れて友人を選ぼう。両極端が集まることで、中庸をうまく守ることができるかもしれない。 ● 人間関係の知恵3 平凡な人とつきあう 自分より光っている人は、それがその人の長所のためであっても、意地悪によるものであっても、一緒にいるべき相手ではない。相手のほうが常に注目や栄光を集め、こちらはそのおこぼれにありつくだけだ。 月が明るく輝くのは太陽が出ていないときだけ。同じように、自分をしのぐような才能ある人と同じ土俵に立つことは避けよう。反対に、自分よりも輝きが弱い人とつきあうようにするのだ。世渡りのコツは、自分より優れた人とではなく、平凡な人と肩を並べて歩くこと。 ● 人間関係の知恵4 人に好かれて生きる 賢人は、人の好意という後押しがまったくなければ、人生は長く厳しいものだと知っている。多くの人に好かれよう。引き立ててもらったり手助けしてもらったりして、人生という航海の追い風になってもらうのだ。 第一印象が良ければ高い評価を得ることができる。そしてひとたび好意が得られれば、いろいろなものがもたらされる。