北朝鮮による拉致問題について大学生に講演する曽我ひとみさん＝22日午後、新潟市東区（本田賢一撮影）

北朝鮮による拉致問題を若い世代にも知ってもらい風化を防ごうと、拉致被害者の曽我ひとみさん（65）は22日、新潟市内の大学で講演を行った。曽我さんは、一緒に拉致され、今も安否が分からない母のミヨシさん（92）＝拉致当時（46）＝について、「母はこの12月で93歳になる。もう待てない。政府は一日も早く日朝首脳会談を実現し、被害者全員の帰国に向けて交渉してほしい」と心情を吐露した。 【写真】曽我ひとみさんの母、ミヨシさん 講演には、新潟県立大の1年生約80人が参加。曽我さんは「私が平成14年10月15日に北朝鮮から帰国して22年がたつ。被害者とその家族が元気なうちに解決してほしいと願うことしかできない自分がもどかしい」とした上で、「今も拉致問題解決のために奔走する家族がいることを知人や友人に伝えてほしい」と学生に訴えた。 北朝鮮の招待所で一時、一緒に暮らしていた拉致被害者の横田めぐみさん（60）＝拉致当時（13）＝については、「2人でこっそり日本語で話をしたり、歌を歌ったりした。何とかして日本に帰れないかを毎日考えていた」と振り返った。 講演会は新潟県主催で平成30年から行われている。