サスペンスと家族の物語が同時進行…坂東龍汰”美路人”の成長ぶりに目が離せないワケ。『ライオンの隠れ家』第4話考察レビュー
ドラマ『ライオンの隠れ家』(TBS系)が放送開始した。本作は、主演の柳楽優弥&坂東龍汰演じる兄弟の前に、謎の少年「ライオン」が現れたことで、2人の生活が一変していくことになる。家族愛や兄弟愛の変化を描く愛と絆の物語だ。今回は、第4話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】坂東龍汰、芝居上手すぎ…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『ライオンの隠れ家』劇中カット一覧
ライオンのサプライズ誕生パーティーが開催
橘愛生(尾野真千子)と思われる遺体が見つかった――ニュースを見たライオン(佐藤大空)はショックから高熱を出し、寝込んでしまう。洸人(柳楽優弥)は大慌てでライオンを小児科へ連れて行くも、ライオンについて知らないことが多すぎて、問診票に記入することができない。薬をもらうのに必要だからと年齢を尋ねると、ライオンはやっと「6歳」であることを教えてくれた。 その日の夜、美路人(坂東龍汰)との会話のなかで、少し前にライオンは自分が「5歳」であると話していたことが発覚。小森家に来てから今日までの間に、人知れず誕生日を迎えていたのだ。たった5、6歳の子が、自分の名前も、1年に1度の誕生日すらも黙って過ごしていたなんて。小さな体にかかる、大きな心労に思いを馳せる。 美路人は、洸人に説明されずとも、ライオンの母親が死んでしまったかもしれないことを理解していた。そして、自分自身も数年前に両親を亡くしていることから、「死ぬのは寂しいです。悲しいです」と、そのときの痛みをまだ鮮明に覚えている。 死を悼むことと、誕生日という生を祝うこと。優先順位なんてとてもつけられない。正解も不正解もないけれど、「お誕生日は幸せな日」だ。だからこそ、洸人と美路人はライオンのお誕生日会を開催することに決めた。生きることは死をも含めて受け入れていくことだという、柔らかいメッセージのようだった。
愛生はなぜ、生きていることを隠しているのか?
牧村(齋藤飛鳥)や寅吉(でんでん)、貞本(岡崎体育)を巻き込んでのサプライズパーティーは見事に大成功。美路人がつくってくれた三角帽子と、美路人が買ってきてくれた“ライオンの色”の花束、寅吉特製のマヨネーズ料理に、ライオンの笑顔が弾けた。 「子どもの笑顔は無敵よな。俺たち大人が守ってやらないと」 そんな貞本の何気ない言葉が、洸人の手を里親制度のパンフレットへと誘ったとき、週刊誌記者の工藤(桜井ユキ)から連絡が入る。彼女によれば、見つかった遺体は愛生とはDNAが一致せず、最近、愛生を見かけた人もいるという。 工藤は橘親子の一件を、ただの行方不明事件ではないと考えているらしい。 ここまででわかっていることを整理してみよう。川で見つかった衣類には愛生の血痕が付着していたが、遺体は愛生のものではく、彼女はどうやらキャバクラのようなところで働いている。都会に立つビルの非常階段らしきところでタバコの煙をくゆらせる姿は、洸人の回想シーンに生きる愛生の像と一致する。 背後にちらつくのは、やはりX(岡山天音)の存在だ。Xは「消してください」など不穏な言葉の書かれたメールを多数受け取っていた。人探しや殺人、なんでもござれの便利屋のようなことをしていると考えられる。愛生が家の近くで一緒にいたとされる若い男=Xと考えるなら、この失踪は愛生が依頼し、Xが画を描いたものだろうか。