<速報W杯最終予選>ハリルJが残り1分でイラクに2-1の劇的勝利!
ワールドカップロシア大会のアジア最終予選、日本対イラクが6日、埼玉スタジアムで行われ、グループBで3位(1勝1敗)の日本は、2-1でイラクに辛勝、勝ち点を「6」に伸ばした。ここまで最終予選で勝ち点のなかった若手中心(平均年齢23、3歳)のイラクに対して、日本は香川真司(27、ドルトムント)を外して、清武弘嗣(26、セビリア)をトップ下に置く布陣で挑んだが、その新布陣が機能。前半26分に原口元気(25、ヘルタ)の芸術的な先制ゴールで主導権を奪ったが、後半15分にセットプレーで同点に追いつかれた。ホームで引き分けもできない日本は、アディショナルタイムに、途中出場で、この日が26歳の誕生である山口蛍(セレッソ)が、執念の決勝ゴール。日本は11日に敵地でオーストラリア戦に臨む。
劇的な勝利。ハリルホジッチ監督の采配がズバリと的中した。 初戦のUAE戦に敗れ、負けられない戦いが続く日本は、香川をスタメンから外してトップ下には清武を起用。ワントップに岡崎、攻撃的なMFには、左に原口、右に本田を置き、ボランチは、柏木ー長谷部のコンビに組ませた。「素晴らしい試合をするだけではダメ。本当に素晴らしい試合をしなければならない」と語っていたハリルホジッチ監督の「勝利への執念」が伺えるような布陣だった。 昨年6月の親善試合で、4-0で勝利していて現在6連勝中のイラクに、もし負けるようなことであれば、ハリルホジッチ監督の進退問題までが浮上する可能性もある。危機感もあったのだろう。 その清武、柏木、原口の3人が機能した。 立ち上がりは、ラインを押し上げて積極的に仕掛けてくるイラクの攻めに戸惑ったが、11分過ぎに柏木の縦パスに岡崎を経由して清武がシュートを放つと、13分には、清武が絶妙のテクニックでボールをコントロールしてディフェンスラインの裏へボールを浮かして、岡崎が反応するなど、清武がボールに絡むことで、攻撃の形とリズムが生まれてきた。高い位置でボールを奪おうとする積極的なプレスも効果的だった。 先制は26分。原口がゴールを奪うと一気にカウンター。清武が、ドリブルで振り切り、右サイドを抜いていった本田へ。本田が、オーバーラップしてきた清武へスルーパスを通すと、その清武が、グラウンダーのクロス。ニアに走りこんでいた原口は、飛び上がるように芸術的なバックヒールでゴール右へと流し込んだ。前半のアディショナルタイムにカウンター攻撃からピンチを迎えたが、西川が好セービングでクリア。日本が、ゲームを支配し、1-0のままゲームは後半へ。 しかし、ここから日本は最終予選に棲む魔物の怖さを味わうことになる。後半15分、セットプレーから失点した。 アハメド・ヤシーン・ゲニの遠い位置からのフリーキックに、アブドゥルアミールに中央でマークを外されヘッドを合わされた。ボールはバウンドしてゴールの左へ。西川のセーブが届かず同点に追いつかれたのだ。 ホームでの引き分けでは負けに等しい。ハリルホジッチ監督は、22分に柏木に代えて山口、29分には岡崎に代えて浅野の投入。次から次へと、波状攻撃を仕掛けるが、ゴールネットを揺らすことができない。 34分には、フリーになった本田が原口のクロスにヘッドを合わせたが、これもポストに嫌われた。ベンチは、35分に本田に代えて、最後のカードとなる小林を切った。日本は、再三に渡ってゴール前に攻め込むが、試合は、ついに6分間のアディショナルタイムへ。イラクのあからさまの時間稼ぎにも苦しめられた日本だが、吉田も、前線に上がって1点を取りにいく。その吉田が左サイドでファウルを拾い、清武のフリーキック。ゴール前へ上げたクロスは、クリアされたが、そのボールを山口が、ダイレクトでミドルシュート。もう時間のないところで、山口が値千金の決勝ゴールを奪いとった。残り時間は1分だった。 試合後、ハリルホジッチ監督は涙ぐんていた 「ドラマチックな試合でしたが、選手を褒めたいと思います。最後まで応援をしてくれた国民、会場の方々に感謝をしたい。この勝利をこれからも続けたい」 ーー後半を苦しんだ理由は? 「最後まで(勝敗は)わからなかったが、勝ったことが重要。次につながる勝利になった」 ーー次に向けて。 「また休養して、オーストラリアに向けての準備を向こう(オーストラリア)でやっていきたいと思う」