自衛隊「サイバー防衛隊」のお寒い現状、540人と桁違いの少なさ…ドワンゴのサイバー攻撃被害、いずれ的になるのは「国民の命」
【有本香の以読制毒】 今月8日、動画配信サイト「ニコニコ動画」を運営するIT大手「ドワンゴ」が大規模なサイバー攻撃を受け、ほぼすべてのサービスを停止するという前代未聞の障害に陥った。原因は身代金要求型のコンピューターウイルス「ランサムウエア」を含む攻撃で、復旧は7月末までかかる見込みという。 ランサムウェアによる攻撃(被害)は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が発表している「情報セキュリティ10大脅威2023」で、「組織」向け脅威のトップにランクされている。被害の量と深刻度合いは推して知るべしだ。 ランサム(身代金)という言葉の通り、これに感染すると、保存データが暗号化されて使用できない状態となる。その復元に「身代金(対価)」を要求するという悪質なプログラムなのだ。 これが近年複雑化していると度々報じられてきた。 筆者もニコニコのチャンネル主(『有本香チャンネル』毎週火曜午後8時~)である。4年以上続くチャンネルゆえ、相当数の会員さんがいる。その皆さまに番組をお届けできない事態は、残念などという言葉では表せないほどの衝撃である。 目下、不幸中の幸いといえるのは、会員さんの情報漏洩(ろうえい)が確認されていないという点だ。復旧作業を続ける方々に追い打ちをかけるようで悪いが、会員さんの個人情報漏洩だけは、何とか防いでもらいたい。 ドワンゴは多額の損失を出すことになるだろう。損失額や、保険でどの程度カバーされるかは不明だが、筆者が願う第1は、補償について、一人ひとりの会員さんをおろそかにしないようにということだ。 本件についてドワンゴから一報があったのは8日夜、発生直後のメールであった。このときは、「番組を1週休む程度か」と思っていた。 ところが、14日の発表によると、私たちが番組放送を再開できるには1カ月以上かかるという。チャンネル主の筆者としても、これをボーっと待っているだけ、というわけにはいかない。 今後のリスクも考え、いくつかの代替案を検討し始めている。