阪神・前川 しぶとくV撃 岡田監督「ああいうのが大きい」フォークに体勢崩されながらも左前へ
「ヤクルト3-6阪神」(8日、神宮球場) 流れをつないだ。真骨頂のしぶとい打撃。阪神・前川が執念で決勝点を生み出した。 【写真】勝ち越し打を放ち、得意げにポーズを決める前川 1点を追う四回。森下のソロで同点に追い付き、なお無死一塁。大山の三塁ゴロで一走・佐藤輝が一気に三塁を陥れる好走塁を見せた。「チャンスを広げてもらったのでなんとか点を取れるようにと思っていた」。先輩の姿を刺激に変えて打席に向かった。 吉村に対してカウント2-2。外角低めのボール気味のフォークに体勢を崩されながらもバットに当てて、前進守備の三遊間を破った。「事を起こしたら何かあると思ったので。うまく打つことができました」。クリーンアップの3人に次ぐチーム4位の32打点目に表情を緩めた。 岡田監督も絶賛。「ああいうのが大きいよ。どんな当たりであろうとな。内容じゃないやん、もう」と負けられない試合で執念を魅せた打撃を評価した。 成長途上の左翼守備でも魅せた。二回1死一塁で太田のファウルグラウンドへの飛球に猛ダッシュ。風は右翼から左翼へ吹き、落下地点がブルペンのマウンド付近だったが駆け上がりながらギリギリで捕球した。「捕れたので良かった」と話し、笑った。 二回1死では三塁内野安打も放って2試合ぶりのマルチ安打も記録した。夏の甲子園では7日に母校・智弁学園が初戦を突破。本拠地で活躍する後輩の姿も刺激に変えて、夏のロードを駆け抜ける。