ヒットも納得──新型ホンダ・ヴェゼルe:HEV X HuNTパッケージ試乗記
一部改良を受けたホンダ「ヴェゼル」のハイブリッド版は、よくできたコンパクトSUVだった! 小川フミオがリポートする。 【写真を見る】新型ヴェゼルe:HEV X HuNTパッケージの内外装など(17枚)
すべてが少しずつ洗練された
人気の高いホンダのハイブリッドSUV「ヴェゼル」が、2024年4月にマイナーチェンジ。新設定されたHuNTパッケージ装着のe:HEV X(4WD)にさっそく6月初旬に試乗したところ、軽快な走りが印象的だった。 SUVとハッチバックのいいところどりのようなすっきりしたボディデザインをはじめ、AWD(全輪駆動)による走行安定性と、軽々とリッター20km超えの低燃費など、「なるほど、こりゃ売れるわ!」と、思わせるのが、ヴェゼルe:HEVだ。 現在の2代目ヴェゼルは2021年のデビュー以来、ほとんどはじめての本格的マイナーチェンジである。 ホンダによると、「静粛性、走り、乗り心地、そして内外装デザインにさらに磨きをかけた」と、開発責任者の奥山貴也は述べた。フロントグリルが象徴しているように、大きく変えるのでなく、“洗練させていく”……それが特徴なのだ。 静粛性において、ダッシュボード、ルーフ、フロアの各遮音材と防音材の厚み、配置を最適化することで、エンジン始動音やロードノイズを低減させ静粛性をより高めたという。 「従来モデルではエンジンが始動するたびに気になる、というユーザーの声があったのを考慮しました」(奥山氏)といい、今回はハイブリッドシステムの制御が見直されている。エンジン始動回数、停止頻度を大幅に低減し、同時にアクセルレスポンスをさらに向上させたのだ。 e:HEVの前輪駆動モデルでは、足まわりにも手が入っている。「ダンパー減衰力をより緻密に見直すことで、フラットで無駄のない動きを追求し、より快適な乗り心地を目指しました」と、プレスリリースでは謳う。 HuNTパッケージは、今回新設されたパッケージだ。「都市も自然もアクティブに楽しむパッケージ」といい、ルーフレールの採用にくわえ、専用アルミホイールやカッパー・メタリック塗装のフォグライトガーニッシュなどが専用装備。内装では、素材と色ともにコンビネーションとしたシートも印象的だ。