新鋭・池田健太監督が大西礼芳×玄理で描く、いびつな世界のサスペンス「STRANGERS」
新鋭・池田健太監督が主演に大西礼芳(「嵐電」「夜明けまでバス停で」「鯨の骨」)と玄理(「水の声を聞く」「偶然と想像」)を迎え、現代社会の甘い罠と不安の中で自身を見失っていく女性を描いた心理サスペンス「STRANGERS」が、11月2日(土)よりシアター・イメージフォーラムなどで順次公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 「STRANGERS」予告編 婚約者の浮気を知る直子(大⻄礼芳)は、不思議な魅力を持つ同僚の山口紗季(玄理)に導かれてマッチングアプリを開始。さまざまな男と出会い、金を受け取ってかりそめのデートを繰り返し、日に日に派手になっていく。自分の姿が山口に似てきたことに動揺するも、やめられない。こうした行為で不安が取り除かれていると錯覚した直子は、自身を見失い、さらなる不安に沈んでいく──。 脇を固めるキャストは柾木玲弥、小川あんなど。監督の池田健太は、大阪大学基礎工学部でコンピュータサイエンス、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で映画学・脚本を学んだのち、岩井俊二監督に師事し、現在は外資系コンサルティング企業で働きながら脚本家としても活動する異色の経歴の持ち主。短編「午後3時の悪魔」(2018/パリのFestival Silhouette、札幌国際短編映画祭などで上映)を経て、本作で長編デビューを果たした。撮影は「寝ても覚めても」「あの子は貴族」「さかなのこ」の佐々木靖之、音楽は繊細な音色と即興演奏が持ち味の橋本秀幸が手掛ける。 黒沢清監督が「後ろ姿が恐い。静寂が恐い。掛かっている服が恐い。そしてまわりの人はみんな恐くなる。これぞまさに現代ホラーのスタンダード」と称える必見作だ。
〈コメント〉
本作を撮影したのは2年前の初夏でした。穏やかな気候に包まれながら、終始不穏な空気の漂う映画を撮影する楽しさを今でも忘れることができません。恐怖映画を撮っているはずなのに喜劇映画を撮っているような感覚さえあり、その奇妙さは映画本編にも映し出されているのではないかと思います。ある人物に出会ったことで、自分自身認識していなかった自分と対面し変化していく女性を、驚きと喜びをもって演じました。多くの方々にこの映画が届くことを願っています。 ──大西礼芳 あの人みたいになりたい、なれたらこんな人生一発で変わるかも。自分だけちょっと損してる気がする。私だってやれば出来るのに。あの人の方が、上手くやってる。誰しも心に「山口」を抱えてる時代なのかなと思いました。山口を演じた自分の後ろ姿に、次々と他の女の子が重なり合っていって、自分でも見分けがつかなくなる瞬間に心がザワザワしました。 ──玄理 和田を演じさせて頂きました、柾木玲弥です。この作品を通して改めて作品作りの楽しさを感じた、大切な映画です。キャスト、スタッフ含め、全ての人間がプロフェッショナルで、作品をより良いものにしようと切磋琢磨して出来上がった作品です。登場人物それぞれが持つ感情・想いが交錯しながら、物語が進みどう展開されていくのかを、ぜひ劇場でお楽しみください。 ──柾木玲弥 脚本を手にしたとき、物語が未知数で、手がかりが掴めなかった。それは、とても魅力に溢れてました。『STRANGERS』は、一つ一つのシーンが分解され、全体が明らかになってくる、ジグソーパズルのような作品です。でも、輪郭は見えても、正体は不確か。池田監督は、丁寧に緻密に、その作業をされていたと思います。手探りのようなサスペンスを、ぜひ味わってください! ──小川あん