櫻坂46「I want tomorrow to come」

New Releases In Focus 　毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は櫻坂46「I want tomorrow to come」、Number_i「ICE」、imase & なとり「メトロシティ」、Perfume「IMA IMA IMA」、三代目 J SOUL BROTHERS「Baby don’t cry」、eill「革命前夜」の6作品をピックアップした。（編集部）　 【画像】櫻坂46山下瞳月が二度目のセンターを務める 櫻坂46「I want tomorrow to come」 　グループ史上最高のセールスを記録した前作『自業自得』に続き、山下瞳月が2曲続けて表題曲センターを務める10thシングルの表題曲「I want tomorrow to come」は、切ないピアノの音色、そして、〈僕は暗闇が怖くて 部屋の灯りを点けたまま寝る〉というラインから始まる。大人になっても、何歳になっても、目に見えない恐怖に怯えているーーそんな繊細な感情を描いた後、突如としてBPMが上がり、しなやかなビート、スリリングなストリングスとともにメンバーの力強いボーカルが響き渡る。不安はいつもそこにある、〈でも明日が来て欲しい〉。アンビバレントな人間の在り方をドラマティックな展開とともに描いたこの曲は、櫻坂46の新たなアンセムになりそうだ。（森） Number_i「ICE」 　デビュー曲「GOAT」や衝撃の先行シングル曲「INZM」などを含む初のフルアルバム『No.Ⅰ』収録曲。岸優太プロデュース楽曲であるこちらは、攻撃的なラップではなく艶っぽいメロディを中心に据えたもの。メロディアスな楽曲自体が今までのNumber_iでは珍しかったが、最新鋭のR&Bに呼応する鮮烈なサウンドで、グループが目指す世界標準をアピールしている。少ない音数の中で揺れるベース、恐ろしくセクシーな歌詞とあえてクールダウンした歌唱の合わせ方、ドラマ展開を極力省いて2分半でスッと終わる尺など、どれも抜群にかっこいい。アウトロの概念を取っ払い、〈way〉を3回繰り返して終わる、この幕引きもありそうでなかったものだ。（石井） imase & なとり「メトロシティ」 　すっかりひとつのジャンルとして定着したシティポップは、たとえばジンジャー・ルートなどの温故知新的なアーティストによって再定義され続けているが、imaseとなとりによる「メトロシティ」はそのもっとも良質な回答のひとつだろう。8月末にリリースされた「メロドラマ」に続くコラボ楽曲第2弾となるこの曲のテーマは、2人の共通点である“上京”。都会での暮らしにチューニングを合わせつつ、自分らしいペースを取り戻そうする姿を軽やかに描いた歌詞は、まさに現代版の上京物語。心地よいファンクネスと80’s的エレクトロ感を融合したサウンドメイク、あくまでも軽妙なのに時折エモさを感じさせる2人のボーカルのバランス具合も絶妙だ。（森）