超富豪向け資産運用、豪州で活況-鉱業ブームで財を成した資産家多数
コンサルティング会社KPMGとファミリーオフィスの人材紹介会社アグレウス・グループのリポートによると、CEOの給与は39万6001-50万豪ドルが一般的で、年間ボーナスとしてさらに21-30%上乗せされる。欧州の同業者よりは多いが、米国よりは少ない。リポートは豪州内での内訳には言及していないが、業界幹部はパースも同程度だろうと語っている。
ただ、ファミリーオフィスアドバイザーのパーキン氏は、パースでの人材募集は「もう少し想像力を働かせる」必要があると言う。リンクトインのプロフィルをしばしば調べ、パースで育った、あるいはパースの大学に通っていた、パースに戻ることに抵抗がなさそうな人を探すのだという。
パースの伸び代
パーキン氏はロンドンで金融に携わり、シドニーでステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの上級職を経験し、家族と寄り添って暮らすため夫妻の故郷であるパースに移り住んだ。比較的ゆったりとしたライフスタイルも魅力の一つだ。パースは通常、1日の始まりも終わりも早く、世界有数のビーチも車ですぐのところにある。
しかし、この売り文句には別の側面もある。ファミリーオフィスは億万長者らと直接取引をするため、アドバイザーは意思決定においてより大きな発言力を持つことができる。「大企業の一員であれば、おそらくこのようには踏み込めない」とパーキン氏は指摘する。
業界は今、次の世代に目を向けている。現在の鉱業セクターの大物たちはいつの日か子供たちに事業や富を譲る。好景気の中、建設業やサービス業が次のファミリーオフィス顧客を生み出すこともあり得る。
アグレウスの共同創業者、タヤブ・モハメッド氏は、この市場ははるかに大きく成長する可能性があるとみる。「数年後、パースが活気に満ちたエコシステムになったとしても、私は驚かない」とロンドンで語った。
(原文は「ブルームバーグ・マーケッツ」誌に掲載)
原題:Catering to the Ultra-Rich Is a Booming Business in Australia (2)(抜粋)
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Harry Brumpton, Paul-Alain Hunt, Patrick Winters