超富豪向け資産運用、豪州で活況-鉱業ブームで財を成した資産家多数
タッタランの「オーダーメード・モデル」は、創業者が「再生可能エネルギー、重要鉱物、農業食品、医療技術など、私たちが最も大きな影響を与えられると信じているセクターを網羅した強力で持続可能なビジネス」に資金を提供できるよう支援するものだと広報担当者は説明する。
他の富裕一族はあまり知られていないが、鉱業セクターの規模が2000年以降2倍以上に拡大し、豪国内総生産(GDP)の13%を占めるまでになる中、鉱業関連企業など向けの事業で名をはせている。
富裕層向けにファミリーオフィスの設立および管理を支援するショーン・パーキン氏によると、そうした企業20社以上と仕事をしたり、会合を持ったりしているが、それぞれが2億豪ドル(約210億円)以上の資産を管理している。地元のコンサルティング会社ホール・ロード・インベストメンツの共同創業者であるパーキン氏は「私が会合を持つ会社の多くに、そのようなレベルの富があるとはまったく知らなかった。そして、ほとんどの人も知らなかっただろう」と語る。
普遍的な魅力
ファミリーオフィスには普遍的な魅力がある。一般的に情報開示が最低限で済み、富裕層がしっかりと管理することができる。加えてパースでは、多くの地元住民が外部の人間に根強い懐疑心を持っているという要素もある。その中には、遠方から資金を運用したがる世界的な大手資産運用会社の担当者も含まれる。
パース出身のロッド・ジョーンズ氏は教育企業ナビタスを創業。19年にプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社BGH率いるグループがナビタスを21億豪ドルで買収したことから、ジョーンズ氏に資産管理の必要が生じていることは周知の事実だった。
ただジョーンズ氏は、機会を説いたり、資産運用をしたがったりする数え切れない遠方の専門家たちからの電話にうんざりし、ある専門家に冗談半分で 「20万ドルやるから消えてくれ 」と言うまでになった。