中国の住宅価格、大都市も地方都市も軒並み下落 8月以降に下げ足が加速、在庫も過去最高水準
中国の不動産市況の悪化が止まらない。中国国家統計局が9月14日に発表したデータによれば、主要70都市の8月の住宅価格は全体的に下げ幅が拡大。中でも中古住宅は前年同月比で1割近い下落を記録した。 【写真】資金繰りが悪化している中国の不動産大手、碧桂園のマンションの販売風景 住宅価格の下げ足は7月にいったん減速の兆しを見せたが、8月に入って再び加速した。国家統計局のデータをもとに計算すると、主要70都市の8月の取引価格は新築物件で前月比0.7%、中古物件で同0.9%それぞれ下落し、どちらの下げ幅も7月より0.1ポイント拡大した。
■新築は地方の不振目立つ 8月の動きを都市の規模別に見ると、北京、上海、広州、深圳の4大都市(一級都市)では新築住宅の取引価格は前月比0.3%の下落にとどまり、下げ幅は7月より0.2ポイント縮小した。 それとは対照的に、省都クラスの大都市(二級都市)では新築住宅の取引価格が前月比0.7%下落し、下げ幅が7月より0.1ポイント拡大。中規模の地方都市(三級都市)では新築住宅の下落率が同0.8%と全国平均を上回り、下げ幅も同0.1ポイント拡大した。
不動産市場の需給により敏感に反応する中古住宅では、相場の下げ幅がさらに大きい。 中古住宅の8月の取引価格は一級都市で前月比0.9%、二級都市で同1.0%、三級都市で同0.9%の下落を記録。一級都市の下げ幅は7月より0.4ポイント、二級都市は0.2ポイント、三級都市は0.1ポイントそれぞれ拡大した。 調査対象の70都市のうち、8月の新築住宅の取引価格が7月より下がった都市数は67と、全体の96%に上った。中古住宅に至っては、わずか1都市を除く69都市で取引価格が下落。住宅市況は中国のほぼすべての都市で悪化していると言っても過言ではない。
■新築在庫は適正水準の2倍 住宅販売の縮小を背景に、新築住宅の在庫は増加し続けている。市場調査会社の易居研究院が8月22日に発表したデータによれば、主要100都市の新築住宅の在庫消化期間は7月時点で26.6カ月と、適正水準とされる13カ月の2倍を超えた。 市況の悪化は面積ベースで見ても明らかだ。国家統計局のデータによれば、新築住宅(訳注:集合住宅の付設店舗などを含む)の8月の販売面積は中国全土で6453万平方メートルと、前年同月比12.6%の落ち込みを記録した。
新築住宅の在庫面積も過去最高水準にあり、8月時点で7億3800万平方メートルに達した。財新記者がデータを遡って計算したところ、過去10年間の新築住宅の平均在庫面積は5億9800万平方メートルであり、現状はそれを23%余りも上回っている。 (財新記者:牛牧江曲) ※原文の配信は9月14日
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