花火大会の有料席に関する調査 「えっ、1区画で16万円!?」
夏のイベントといえば花火大会が定番だが、少しでも良い場所で見たいと、有料席を求める人も少なくないだろう。そうした中、帝国データバンク(東京)は、7~9月に開催される全国の花火大会のうち、動員客数が10万人以上(平年)の106大会を対象に「有料席の導入状況」と「価格設定の推移」について調査・分析を行った。 この調査によると、国内で7~9月に開催される主要な106の花火大会のうち、約7割にあたる79大会で観覧エリアに「有料席」を導入していた。2024年は新たに4大会で有料席の販売が開始されたことで、有料席導入は前年開催時の77大会から2大会の純増(開催の中止などによる減少分を含める)となった。 そして、2023年開催から有料席を導入した75大会のうち、56.0%にあたる42大会で、2024年の花火大会における有料席の「値上げ」を実施。価格改定前後の有料席料金をみると、複数種類が用意された観覧席のうち、1区画(席)あたりの「最安値」平均は5162円と、前年(4768円)に比べて8.3%アップ、さらに5年前の2019年(3676円)と比べると約4割の1486円アップした。ベースグレードの料金設定を底上げする動きが目立ち、帝国データバンクでは、前年に比べて花火大会全体で有料席のプレミアム化・高価格化が進んでいると分析している。 なお、有料席の設定がある79大会のうち、最も高額な有料席は「2024松江水郷祭湖上花火大会」(島根県松江市・8月3日~4日開催)で販売された「VIPテーブル席」(定員4人)の16万円(1席あたり4万円。専用トイレ、飲食、飲み放題付き)だった。 花火大会では、運営費支出の多くを占める花火の打ち上げコストの増加に加え、安全対策に不可欠な会場設営費や警備費用も増加。開催者は値上げに踏み切らざるを得ない状況となっているようだ。ただ、有料席の導入が本格化した2023年は、知名度やアクセスの良さ、花火の打ち上げ規模などによって高額席も「売れる」「売れない」に二極化する傾向も。今後は価格に見合った価値の提供が課題とみられている。