【竹田麗央の強さの秘密②/週刊GD単独インタビュー後編】「全部、自分で見て、考えて、修正します」(竹田麗央)
2024年、初優勝からメジャー2勝を含む怒涛の8勝を挙げ、あっという間に女王の座を手にした竹田麗央。この勢いで2025はアメリカツアーに参戦する。しかし、竹田はいつ会っても“ホンワカ”ムード。そんな21歳の強さに週刊ゴルフダイジェストの担当者が迫った。2025年1月7日・14日合併号の『週刊ゴルフダイジェスト』に掲載したインタビュー記事を『みんなのゴルフダイジェスト』でも紹介!【全3回中2回】 263.19Yを飛ばす竹田麗央のドライバー後方連続写真(撮影/大澤進二)
竹田の武器は飛距離だ。もちろん、自信もある。だからこそ、ドライビングディスタンス1位にはこだわっており、実際263.19Yで獲得した。計測ホールでは「気合いを入れすぎると本当にその場で曲がったりするので、なるべくいつも通りにするように心がけていました」。飛ばすために必要なことは、振り切ること、芯に当てること。いたってシンプルだ。 今の時点では、スウィング改造も筋トレも、必要性を感じていない。 「調子が悪いときは、動画を撮ったりして、いつもと違うところを見つけたりしてやっています」 自分で見て確認して修正する。もちろん母に助言も求める。自分で気づかないことを指摘してもらえるから。 しかし、ランニングだけは「体力のために」続けている。シーズン中は20分、オフは1時間、近所の公園などを走る。 「4日間戦う体力がつき、集中力を切らさずできるようになりました」 筋トレは「キツいから」やらないが、ストレッチや体幹トレーニングは行う。今年の結果につながったショートゲームの強化も続けていく。 「練習の最低7割の時間は割いていきたい。スタッツが悪かったバンカー練習も強化したいです」 今、自分に必要な課題が見えている。それをいたってシンプルにとらえて、シンプルに取り組む。 竹田は、ゴルフショップを経営する父(道具面)、プロゴルファーの母(技術面)のアドバイスを受けながら、フェードヒッター、ダスティン・ジョンソンのダウンの手首の折り方やローリー・マキロイの振り切るフィニッシュのスウィングを見て、自分でゴルフを作り上げてきた。 「口数が多いタイプではないので、口に出したことはもう、決まっているなあという感じです。好きなことは好きなだけやってほしい。そこに向かって準備していってほしい」(父、宜史さん) 「昔から走ることなども1番になりたがった。あまり外では出さないけど、車に乗ったり家に帰ったときはバーッと泣いたりもしますよ」(母、哲子さん) 竹田は、2025年、アメリカを舞台に戦う。母が帯同し、キャディは米ツアーから紹介してもらうという。周りからアドバイスされた炊飯器を持って行き、出られる試合は全部出る予定だ。小さい頃から試合観戦したりプレースタイルを見てきた同郷の大先輩、上田桃子からは「英語は話せたほうが絶対楽しい」と言われたそうだ。 学生時代、英語だけは得意だったというが、「今はまったく勉強していません。まあ何とかなるかなと。ふふふ。向こうのコース研究もまだしていないけれど、あんまり考えても仕方がない。でもいろいろなコースでプレーできることは楽しみです。1年間いろんな経験をして、自分のゴルフがレベルアップしたらいい」 「ミスしても死ぬことはないですから」と言う竹田はきっと、マイペースで負けず嫌いで、鈍感力で楽しみながら戦っていくのだろう。 2025年も、運と実力を引っ提げて、どこまでも突っ走れ! (つづく)
週刊ゴルフダイジェスト