個性派ソリストが「Pops Concert」で競演! NAOTOが語る東京藝大音楽付属高の魅力
――ここからいよいよ今回の創立70周年記念コンサート「飛翔~GEIKO 70th Anniversary~」についてお聞きしますが、そもそもNAOTOさんたちを呼んでの「Pops Concert」を行なうことになったのは、お2人が同級生という繋がりから? 大平 3年ほど前に「そろそろ70周年だけどどうする?」という話が職員室や同窓会でも出てきまして。(原因の根底には日本の人口減少があるのだと思いますが)毎年のようにどこかの音楽大学や音楽高校(高校の音楽科等)が閉鎖しているという現状があって、本校も、少しずつ受験生は減っていて、そのような中で、どんな周年行事を開催すれば良いのか、様々な意見がありました。そして、まだまだ藝高の存在自体を知らない方も多いと思われる中で「こんな学校があるんだ」と世の中に知ってもらうにはどうしたらいいのか? という観点から、ある先生が「(卒業生には)NAOTOとかクラシック音楽以外で活躍している人もたくさんいるし、そういう人たちのコンサートもいいんじゃない?」とアイディアが出て、NAOTOと同級生ということもあって私が「ちょっと感触を確かめてみます」ということになり、電話してみたら「いいよ」と。その時思ったのは、想像より藝高愛が強かったんだ、ということです(笑)。 NAOTO まあ藝高は大好きですからね。 大平 おそらく同級生じゃなかったら実現しなかったんじゃないかと……。 NAOTO まあ普通は断るよね(笑)。 ――NAOTOさんはどのような思いで今回のオファーを快諾されたんでしょうか? NAOTO まず「藝高がなくなってほしくない」という思いがあります。音楽学校って“団体競技“の部分があって、ひとりだけ上手な子がいれば成立するというものではないんです。こんなにレベルの高い素敵な学校なのに、知られていないのは純粋にもったいないという思いがありました。僕は、藝高には「こんなに素敵な変な奴らがいます!」と全力で振り切ってほしいと思っています。そんな藝高の中でも、僕らは“じゃないほう芸人”みたいなものですから(笑)、「そっち側の人間もたくましく生きています」というのを見てもらうのも大事なことかなと思っています。10年後の80周年の時はどうなってるかわからないので、いま、自分が力を貸せるタイミングで声をかけていただけたなら、一生懸命やってみようと思いました。 ――このメンバーでのコンサートで楽しみにされていることは? NAOTO 僕が客として見たいです(笑)。このメンバーをこの値段(税込9,000円)で……って普通は集まらないし、怒られますよ? 前日のリハーサルを含めて、日本の音楽業界を2日間ストップさせるってことですからね。本当はこういうことしちゃダメですよね(笑)。 ――“Pops”と銘打っていますが、既に楽曲は決まっているんですか? NAOTO 決まってますけど、そこは事前には言わず、本番を楽しみにしていただければと思います。 取材・文・撮影:黒豆直樹 <公演情報> 東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校70周年記念コンサート 飛翔~GEIKO 70th Anniversary~ 公演日程:2024年12月1日(日) 会場:東京藝術大学奏楽堂