個人店の廃業が相次ぐ“6000億円”ラーメン市場の中で急成長する「人気ラーメンチェーン」2社の勢い
追随する大阪発「ラーメンまこと屋」
ラーメンまこと屋(マコトフードサービス)は1999年10月に大阪市北区で開業した。2025年に120店舗、2026年に150店舗、2027年に175店舗、2028年に200店舗の展開と150億円のグループ売上を目標にしている(現在は88店舗、2024年5月時点)。 その目標を達成する為の原動力となる人材投資と労働環境の改善に力を注いでいる。特にブラックと思われがちな飲食店の職場環境を抜本的に見直し、正社員の初任給を30万円と大幅アップさせ、配偶者・子供手当・その他諸手当なども充実させている。 また、勤務体系も完全週休二日制の導入は当然のこと、福利厚生も充実させている。家族も含めて働きやすく生活しやすい環境づくりに力を入れ、ホワイト企業を目指しているようだ。これだけ従業員とその家族を大切にしてくれる会社であれば、自分の人生を賭けてみようかと思う優秀な人材も確保できるであろう。
セントラルキッチンで効率化を目指す
同時に収益性の高い業態パッケージと手厚いサポート体制を兼ね揃えてフランチャイズ展開にも積極的である。 自己資本と他人資本を有効に組み合わせた最適な出店体制の構築を準備中だ。フランチャイズは、視認性の高い看板の設置が可能であることや、スケルトン渡しを原則にしてイニシャルコストの負担はかかっても自店ならではの店内造作をするようだ。 効率化に向けた体制の支援として、新たにセントラルキッチンを建設し、2025年に全面稼働を目指す。今まで製造を外注していた麺やスープ、焼き豚などを内製化し、サイドメニューの餃子なども生産する計画である。これで味の均質化と店舗調理の効率化が実現し、競争力を強化できて、多店舗展開の基盤が確立できる。
ラーメンまこと屋の強みは?
特製の圧力寸胴で牛コツを粉々になるまで煮込んだスープが自慢のまことやラーメン。他店の模倣困難性の高い独自工法にこだわった商品力で競争上の優位性を確保している。 飲食店は商品と価格だけではない。接客や快適な雰囲気も重要な構成要素であり、そのための投資も十分である。古木を駆使した落ち着きのある店内空間はご家族連れにも人気のようだ。一人客が利用するカウンター席と共にゆったりできるテーブル席も人気を博し、幅広い客層に満足されているようだ。 フランチャイズも積極的に募集している。成功事例が多くあり、その成功の再現性も確実なパッケージにして用意しているようだ。フランチャイズに加盟しているオーナーが複数店舗を有しているか否かも、加盟する時の判断材料になるものだ。儲かる仕組みのフランチャイズであれば、借入しても複数店舗を展開したいのがFCビジネスである。 ラーメンまこと屋は収益性が高く、投資回収速度の標準が3年未満となっている。その数字に裏付けされ、成功の根拠を示したビジネスモデルに魅力を感じる加盟店希望者が多いようだ。ちなみに社外取締役に鳥貴族を展開する大倉忠司氏、株式会社エターナルホスピタリティグループ代表取締役社長(5月1日鳥貴族ホールディングスから社名変更)が名を連ねており、その点も加盟店は安心材料にするようだ。