金沢は「普通」の大みそか 名所、繁華街にぎわい「いつも通りだよね」
大みそかの金沢は地震の影響もどこ吹く風。観光地や飲食店は大勢の人でにぎわった。片町や近江町市場には、国内外の観光客が繰り出し、被災地とは対照的な風景が広がった。 昼すぎ、近江町市場に足を運ぶと海産物を食べ歩きする客でごった返していた。大きなリュックやキャリーケースを持った人が目立ち、観光客が多いようだ。 家族7人で仲良くカニ汁を味わっていた沖縄県の仲田日出吉さん(67)一家は初めて金沢を訪れたそうで「カニのうまみが違う」と笑顔だ。旅先を選ぶのに地震の心配はなかったか尋ねると「全然ないね」と首を振る。孫の横田和龍さん(12)も「石川は楽しくてずっとわくわく」と地震は気にならない様子だ。 繁華街の片町周辺も夕方ごろから酔客が次々と繰り出し、忘年会を楽しむ若者が見られた。焼き肉店で友人4人と同窓会をしていた福井県の男子大学生(20)は「地震直後は能登のことを気にしていたけど、正直関心は薄くなっているかも」とこぼす。 「もう、いつも通りだよね」とうなずきあう一団の姿に、いまだ傷癒えぬ能登との格差を感じた。(社会部・土田雄山)