12月の米追加利下げ確率、市場織り込み80%に上昇-CPI予想通りで
(ブルームバーグ): 13日の米国債市場では、米金融当局が来月0.25ポイントの追加利下げを行うとの見方が強まった。この日発表された10月の消費者物価指数(CPI)が市場予想通りだったことを受け、米国債が買われた。
金融政策決定との関係が比較的強い2年債利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し4.24%となった。
スワップ市場では、12月17、18両日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決まる確率が約80%と織り込まれ、より早い時間帯に付けた約56%から上昇した。来年6月末までの利下げ幅は計60bp強と見込まれている。
世論調査で接戦が予想されていた11月5日大統領選までの数週間に、債券市場では向こう1年間の追加利下げ観測が後退していた。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのマルチセクター債券投資部門責任者リンゼー・ロスナー氏は「コアCPIが市場予想と一致したことで、当局は12月に利下げを行う方向だろう」とした上で、「この日の数字は、利下げペース鈍化が目前に迫っているとの懸念を和らげるものだ」との見方を示した。
10月の総合CPIは前年同月比2.6%上昇し、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは3.3%上昇。いずれもブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値と一致した。
一方、期間長めの債券利回りは比較的小幅な低下にとどまった。利回りはその後、新規社債発行に向けた動きが相次ぐ中で上げ方向に転じた。
インフレ圧力につながると予想される関税案を掲げたトランプ氏が大統領選勝利を確実にした週に、利回りは数カ月ぶりの高水準を付けたが、この日もその水準付近にとどまった。同日には米下院選の最終結果を受け、共和党が上下両院の過半数を握ると相次いで報じられた。これにより政策の実施が容易になる見通し。
原題:Markets See 80% Chance of December Fed Cut After Inflation Data(抜粋)