「男心に寄り添った無駄がない企画」 Xで「男の運動おにぎり教室」が絶賛されたワケ 深刻な背景事情
65歳以上の男性を集めて、運動をしておにぎりを作るという教室が、Xで話題になりました。参加費がたったの「200円」という、充実の内容と相反する破格の値段設定に「うさんくさい」との声も上がるほど。いったいなんのために……主催者に話を聞きました。(withnews編集部、松川希実) 【画像】「教室」で作る「おにぎり」はこちら。「魚肉ソーセージを…」簡単、うまい
「足腰を鍛えて、家事力も上げるのか」
Xで話題になったのは「男の運動 おにぎり教室」のポスターです。こう書いてあります。 「ご飯を炊いている間に筋力トレーニングを行い、おにぎりを作ってみんなで食べる」 対象者は「那覇市在住の65歳以上の男性」。参加費は「200円」です。 Xでは「うさんくさくもあり、ただの善意も感じられて、ちょっとおもしろい」「斬新過ぎ!」「後期高齢者になる前に足腰を鍛えて、家事力も上げるのか」「おにぎりとみそ汁作れたら安心」「夫にも行かせたい」などの声が上がりました。
「社会とのつながりが希薄」な男性
主催者を探すと、那覇市内の地域包括支援センターのひとつ「識名(しきな)」の取り組みだと分かりました。 「地域包括支援センター」とは、地域の高齢者の暮らしをサポートするために、市町村が設置する機関です。介護サービスや、介護予防の相談などに応じています。 担当者に「男の運動おにぎり教室」の全容を聞きました。 まず、なぜこの教室は企画されたのでしょうか。 「背景として、男性は社会とのつながりが希薄で、自ら外に出ることが少ない人が多い、ということがありました」 男性は退職すると、社会との接点が失われてしまって家に閉じこもりがちになる、という話を、筆者も介護関係者から聞いたことがありました。 そんな男性が一人暮らしになると、「生活に問題を抱えていても、自らヘルプを出せずに、なかなか支援につながりにくい、ようやくつながった時には問題が複雑化している」ということがあり、包括支援センターでも、早めに男性との接点を作りたいと考えていたそうです。 一方で、介護予防教室やサークルの参加者は女性が9割以上。「『行きにくい』という声があり、誘っても抵抗感があるようでした」