私が死んだら「鳥葬」にしてほしい 「日本野鳥の会」に入会したタレント磯野貴理子が語る「鳥への熱愛」
――「日本野鳥の会」の会員の間では、連綿と読み継がれているロングセラーのようですね。 もっとも、鳥の生態だけでなく、人類と鳥との関わりが広く取り上げられているので、とくに野鳥好きではなくても楽しめる本だと思いますよ。たとえば、ベートーヴェンの交響曲「田園」第二楽章の終わりの箇所では、ナイチンゲール(サヨナキドリ)とカッコウ、ウズラの鳴き声が採られていると書いてあって、そう思って聞いてみると、確かにカッコウの鳴き声が聞こえるような気がします。ベートーヴェンは、鳥の囀りが人間に幸福感を与えることを知っていたんでしょうね。この曲を聴いていると「幸せホルモン」みたいなものが分泌されるような気がします。 ――柴田さんの本には「鵜飼」や「鷹狩」の話など、鳥を利用したさまざまな文化も紹介されていますね。 私が一番印象に残っているのは「鳥葬」の話です。遺体を山頂に運び、ハゲワシに食べさせて、霊魂をあの世に運んでもらう。人間は空を飛ぶことができる鳥に憧れて、鳥を神もしくは神の化身として崇拝していたんだと思います。 ほとんどの人は「鳥葬なんてとんでもない」と思うでしょうが、可能であれば、私も死んだら「鳥葬」にしてほしい。愛する野鳥たちに葬ってもらえるなら本望です。 *** 磯野貴理子 三重県出身。85年にお笑いアイドルグループ「チャイルズ」の一員として活動開始。解散後はタレント、女優として活動。NHK連続テレビ小説には「走らんか!」(95)、「あぐり」(97)に出演。現在は、CX「はやく起きた朝は…」、「ホンマでっか!? TV」、NTV「行列のできる相談所」にレギュラー出演中。CX「はやく起きた朝は…」は30年目を迎えた。 [文]新潮社 1896年(明治29年)創立。『斜陽』(太宰治)や『金閣寺』(三島由紀夫)、『さくらえび』(さくらももこ)、『1Q84』(村上春樹)、近年では『大家さんと僕』(矢部太郎)などのベストセラー作品を刊行している総合出版社。「新潮文庫の100冊」でお馴染みの新潮文庫や新潮新書、新潮クレスト・ブックス、とんぼの本などを刊行しているほか、「新潮」「芸術新潮」「小説新潮」「週刊新潮」「ENGINE」「nicola」「ニコ☆プチ」などの雑誌も手掛けている。 協力:新潮社 新潮社 Book Bang編集部 新潮社
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