古民家リノベ、オーガニック食品店やホテル入居の商業施設に 福井県坂井市、駄菓子屋やカフェも
福井県坂井市三国町山王2丁目の2階建て古民家がリノベーションされ、オーガニック食品販売店、宿泊施設が入居する商業施設「ミナト&~みなとと~」に生まれ変わった。8月から営業を開始。今後駄菓子屋やマッサージ店、カフェなども入居、オープン予定だ。各種イベントも計画しており、三国湊を盛り上げていく。 1階の村田商店スペースと村田本気店主 古民家(敷地面積約618平方メートル、延べ床面積約227平方メートル)は築100年以上たち、三國神社から450メートルほど北西にある。オーナーで、木材加工販売のファーストウッド(本店福井市)が、循環型社会を目指す新事業としてリノベーションを手掛けた。 北浜甲一取締役(38)は「帯のように細長い三国湊の通りは、今は旧森田銀行付近がにぎわいの中心だが、少し離れたこの場所にも新たな起爆剤として人を呼び込みたい」と話す。 1階テナント部分は、まっすぐ伸びる共有廊下に沿って店が並ぶ。食品雑貨店「村田商店」は、近くの農家の村田本気さん(33)が経営し「健康で笑顔になれる商品をそろえている」。 看板商品はイングリッシュマフィン。村田さんの農園の平飼い卵と無添加ベーコン、チーズを三国の人気洋菓子店の米粉パンに挟んで提供する。水土日限定で地元カフェのおにぎりや総菜も扱う。町内で育った村田さんにとって店は「かわいがってもらった近所のおばあちゃんの家だった場所。ここでお店をするとは思ってもいなかった」と思い入れがある。「昔のように会話を大切に、通り全体を活気づけたい」と話す。月曜定休。午前11時~午後4時。 2階は、あわら温泉旅館「グランディア芳泉」運営の「恐竜古民家ホテル だいな荘」。室内は「恐竜」の小物や内装で飾られ、落ち着いた雰囲気。2人と3人の2部屋あり、1泊1人1万2千円から。家族連れに人気だ。食事はなく、周辺の飲食店を利用して散策してもらう。 山口高澄常務(36)は「長年培ってきた客室づくりや宣伝のノウハウを生かしている。あわら、坂井の垣根を越え、国内外に地域の魅力を発信したい」と意気込む。 ファーストウッドの北浜取締役は「幅広い世代に親しまれる場所を目指す」と語り、近隣や市外の事業者らと連携し、相乗効果を生み出したいという。
福井新聞社